ホームページ制作会社を探していると、制作実績や料金、デザインの雰囲気などに目が行きがちです。
もちろん、それらも重要です。
しかし実際にWEB制作の仕事をしていると、契約前に確認しておけば防げたトラブルがかなり多いと感じます。
例えば、
- サーバーやドメインを自社で管理できない
- 制作会社を変更したらサイトを移せない
- 修正するたびに追加料金がかかる
- 誰が実際に制作しているのか分からない
- WordPressだと思っていたら自社専用システムだった
- 公開後の保守費用が想定以上に高かった
といったケースです。
ホームページ制作会社を選ぶときは、「いくらで作れるか」だけでなく、「どういう仕組みで作り、公開後はどうなるのか」まで確認することが重要です。
この記事では、ホームページ制作会社へ依頼する前に確認しておきたい15の質問を、WEB制作側の視点から解説します。
- ホームページ制作会社は「完成したサイト」だけで選ばない
- 制作会社へ依頼する前に確認したい15の質問
- 1.実際に誰がホームページを制作しますか?
- 2.どこまで自社で制作していますか?
- 3.見積もりには何が含まれていますか?
- 4.追加料金が発生するのはどんな場合ですか?
- 5.サーバーは誰が契約しますか?
- 6.ドメインは誰が契約・管理しますか?
- 7.WordPressなどのCMSは使いますか?
- 8.ホームページの更新は自社でできますか?
- 9.修正回数に制限はありますか?
- 10.原稿や写真は誰が用意しますか?
- 11.スマートフォン対応は含まれていますか?
- 12.SEO対策には何が含まれていますか?
- 13.公開後の保守費用はいくらですか?
- 14.制作会社を変更するときサイトを引き継げますか?
- 15.納品データやサイトの権利は誰のものですか?
- 安い制作会社に依頼するときこそ確認したい
- 逆に高い制作会社にも理由を聞く
- 制作会社選びで「スタッフ数」はそこまで重要ではない
- 「何ができますか?」より「なぜそうするのですか?」を聞いてみる
- 制作会社は「何でもできます」と言わない会社の方が信用できることもある
- ホームページ制作会社へ相談するときに準備しておくこと
- この15項目すべて完璧な会社でなくてもいい
- まとめ|契約する前に「公開後」を確認しよう
ホームページ制作会社は「完成したサイト」だけで選ばない
制作会社を探すとき、多くの方が最初に見るのが制作実績です。
見た目がかっこいい、デザインがおしゃれ、同業種の実績が多い。
こうした要素は当然参考になります。
ただし、制作実績だけでは分からないこともあります。
- 実際に誰がデザインしたのか
- 誰がコーディングしたのか
- 自社制作なのか外注なのか
- 公開後の対応はどうなのか
- サイトの所有権はどうなるのか
- サーバー・ドメインを誰が管理するのか
ホームページは完成して終わりではありません。
公開後に数年間使うことを考えると、制作時のデザイン以上に「運用し続けられる仕組み」も重要です。
制作会社へ依頼する前に確認したい15の質問
まず、今回紹介する質問を一覧にすると次の15項目です。
- 実際に誰が制作しますか?
- どこまで自社で制作していますか?
- 見積もりには何が含まれていますか?
- 追加料金が発生するのはどんな場合ですか?
- サーバーは誰が契約しますか?
- ドメインは誰が契約・管理しますか?
- WordPressなどのCMSは使いますか?
- 更新は自社でできますか?
- 修正回数に制限はありますか?
- 原稿や写真は誰が用意しますか?
- スマートフォン対応は含まれていますか?
- SEO対策には何が含まれていますか?
- 公開後の保守費用はいくらですか?
- 制作会社を変更するときサイトを引き継げますか?
- 納品データやサイトの権利は誰のものですか?
順番に見ていきます。
1.実際に誰がホームページを制作しますか?
意外と確認されないのですが、かなり重要な質問です。
ホームページ制作会社と一言でいっても、制作体制はさまざまです。
- 社内のデザイナー・エンジニアが制作
- 代表者が一人で制作
- デザインだけ社内でコーディングは外注
- 制作全体を協力会社へ外注
- 営業会社が受注し別の制作会社へ丸投げ
どの形が絶対に悪いという話ではありません。
重要なのは、誰が何を担当しているのか制作会社自身が把握し、品質に責任を持てる体制なのかです。
営業担当者しか表に出てこず、実際にサイトを作る人と一度も話せない場合は、制作体制を確認しておくことをおすすめします。
2.どこまで自社で制作していますか?
先ほどの質問と似ていますが、もう一歩踏み込んで確認したい部分です。
WEB制作では、
- 企画
- ディレクション
- デザイン
- コーディング
- システム開発
- ライティング
- 撮影
- SEO
など複数の業務があります。
必要に応じて専門家へ外注すること自体は普通です。
例えば写真撮影をカメラマンへ依頼したり、高度なシステム開発を専門エンジニアへ依頼したりするのは合理的です。
ただ、自社ではWEB制作をほとんど行えず、案件を受注してすべて他社へ流しているだけの場合は少し話が変わります。
外注しているかどうかより、「自社で制作内容を理解し、問題が起きたときに対応できるか」を確認しましょう。
3.見積もりには何が含まれていますか?
「ホームページ制作一式50万円」と言われても、それだけでは高いのか安いのか判断できません。
確認したいのは、その50万円の中に何が含まれているのかです。
- 企画・設計
- トップページデザイン
- 下層ページデザイン
- コーディング
- スマホ対応
- WordPress構築
- 問い合わせフォーム
- 原稿作成
- 写真撮影
- サーバー設定
- 公開作業
- アクセス解析設定
同じ50万円でも、「原稿も写真も用意してくれる会社」と「全部依頼者側で用意する会社」では内容が違います。
4.追加料金が発生するのはどんな場合ですか?
見積もり金額だけでなく、追加料金の条件も確認しましょう。
例えば、
- ページを追加した場合
- デザインを大幅に変更した場合
- 修正回数を超えた場合
- 原稿作成を追加した場合
- 新しい機能を追加した場合
- 公開後に変更した場合
などです。
制作途中で要望が増えれば、追加費用が発生すること自体は当然です。
「追加料金がある会社は悪い」のではなく、どこから追加料金になるのか事前に分かっていることが大切です。
5.サーバーは誰が契約しますか?
個人的に、契約前にかなり確認してほしい項目です。
ホームページを公開するには、基本的にサーバーが必要です。
制作会社によって、
- 依頼者自身で契約
- 制作会社が代理契約
- 制作会社独自のサーバーを利用
など運用方法が違います。
特別な事情がない一般的な企業サイトであれば、サーバーは依頼者自身の名義で契約する方法をおすすめします。
理由は単純です。
ホームページは自社の資産だからです。
制作会社を変更したり、廃業したり、連絡が取れなくなった場合でも、自社契約なら管理を続けやすくなります。
6.ドメインは誰が契約・管理しますか?
サーバー以上に重要なのがドメインです。
例えば、
example.co.jp
のようなホームページの住所にあたるものです。
このドメインが制作会社名義になっていると、制作会社変更時に面倒なことがあります。
会社のドメインは、原則としてその会社自身で所有・管理できる状態にしておくことをおすすめします。
ドメインはWEBサイトだけでなく、
- 会社メール
- Google Workspace
- Microsoft 365
- 各種外部サービス
などにも関係する場合があります。
単なるホームページのURLではありません。
7.WordPressなどのCMSは使いますか?
自社でお知らせやブログを更新したい場合は、どんなCMSを利用するのか確認しましょう。
WordPressを使う制作会社も多いですが、
- WordPress
- STUDIO
- Wix
- 独自CMS
- 制作会社独自のシステム
など方法はいろいろあります。
大切なのは「WordPressだから良い」ということではありません。
自社がやりたい更新方法に合っているかです。
8.ホームページの更新は自社でできますか?
CMSを導入していても、サイト全体を自由に編集できるとは限りません。
例えば、
- NEWSだけ更新可能
- 実績だけ更新可能
- 文章は編集可能
- 画像は変更可能
- レイアウト変更は制作会社のみ
といった設計もあります。
「WordPressだから全部自分で更新できる」と思い込まないようにしましょう。
どの部分を自社で編集できるのか、具体的に確認することをおすすめします。
9.修正回数に制限はありますか?
制作途中のデザイン修正についても確認しておきましょう。
制作会社によって、
- 修正2回まで
- デザイン確定前なら対応
- 軽微修正は回数制限なし
- 大幅変更は別料金
などルールが異なります。
ただし、ここで注意したいのは、修正回数が無制限なら良い会社というわけではないことです。
何度でもゼロから作り直せる契約では、制作側も価格を高く設定せざるを得ません。
修正の回数より、「どこまでが通常修正で、どこからが仕様変更なのか」が明確な方が重要です。
10.原稿や写真は誰が用意しますか?
ホームページ制作が予定より遅れる原因として多いのが、原稿や写真が揃わないことです。
契約前に、
- 文章は誰が書くのか
- 写真は誰が撮るのか
- 既存資料から制作会社が整理するのか
- プロのライターを使うのか
- カメラマン撮影が必要なのか
を決めておきましょう。
デザインだけ制作会社へ依頼しても、掲載する中身がなければホームページは完成しません。
11.スマートフォン対応は含まれていますか?
現在のホームページ制作ではスマートフォン対応は基本と言っていいでしょう。
ただ、それでも見積もり上どう扱われているのか確認しておくことをおすすめします。
単純に画面幅を縮めるだけではなく、スマホでは、
- 文字サイズ
- メニュー
- ボタンサイズ
- 余白
- 画像
- 表示順
なども調整する必要があります。
12.SEO対策には何が含まれていますか?
「SEO対策込み」という言葉にも注意が必要です。
SEO対策には非常に幅があります。
例えば、
- titleタグ設定
- meta description設定
- 見出し構造
- 内部リンク設計
- ページ表示速度改善
- 構造化データ
- キーワード調査
- コンテンツ制作
- アクセス解析
- 継続的な改善
などすべてSEOに関係します。
「SEO対策します」だけでは、具体的に何をするのか分かりません。
また、検索順位を確実に1位にできるような方法はありません。
検索順位を保証するような説明をされた場合は、その根拠を確認した方がいいでしょう。
13.公開後の保守費用はいくらですか?
ホームページ制作費だけでなく、公開後の費用も確認しましょう。
例えばWordPressサイトでは、
- WordPress本体アップデート
- プラグイン更新
- テーマ更新
- バックアップ
- セキュリティ確認
- 不具合対応
など継続的な管理が必要になります。
制作会社によっては月額保守契約が必須の場合もあります。
初期制作費が安くても、月額費用が高ければ数年間の総額は大きくなります。
契約前に、
- 保守契約は必須か
- 月額はいくらか
- 何が含まれるか
- 更新作業は含まれるか
- 解約できるか
まで確認しましょう。
14.制作会社を変更するときサイトを引き継げますか?
これはかなり重要です。
制作時には制作会社を変更することなど考えていないと思います。
しかし数年運用すれば、
- 担当者が変わった
- 対応が遅くなった
- 制作会社が廃業した
- 別会社へリニューアルを依頼したい
- 自社で管理したくなった
ということは普通にあります。
そのとき、
サイトデータは渡せません。
サーバーも弊社契約なので利用できません。
解約するとホームページは消えます。
となると非常に困ります。
契約する前に「将来別の制作会社へ移すことはできますか?」と聞いておくことをおすすめします。
15.納品データやサイトの権利は誰のものですか?
最後に確認したいのが、データや著作権などの扱いです。
例えば、
- HTML・CSSなどのサイトデータ
- WEBデザイン
- ロゴ
- 撮影写真
- イラスト
- 文章
- 有料フォント
- 有料素材
などです。
すべてが自動的に依頼者へ譲渡されるとは限りません。
写真や素材についても、利用範囲に条件がある場合があります。
将来的にパンフレットやSNSなど別媒体でも利用したい素材がある場合は、利用可能範囲まで確認しておくと安心です。
安い制作会社に依頼するときこそ確認したい
価格が安いこと自体は悪いことではありません。
例えば、
- テンプレートを利用する
- ページ数を絞る
- 原稿を自社で用意する
- 写真を自社で用意する
- 打ち合わせを少なくする
ことで、制作費を抑えることはできます。
これは合理的な方法です。
問題なのは、なぜ安いのか分からないまま契約することです。
安い理由が「作業を効率化している」ならメリットですが、「必要な作業をやっていない」なら話は別です。
逆に高い制作会社にも理由を聞く
見積もりが高いから悪いわけでもありません。
例えば、
- 市場調査を行う
- 競合分析を行う
- コンセプトを設計する
- 写真撮影を行う
- 原稿制作を行う
- オリジナルデザインを制作する
- 独自機能を開発する
のであれば、当然費用は高くなります。
重要なのは、その費用が自社にとって必要なのかです。
制作会社選びで「スタッフ数」はそこまで重要ではない
「スタッフ20名」「年間300サイト制作」といった実績を見ると安心感はあると思います。
しかし、それだけで良い制作会社かどうかは判断できません。
大規模案件なら人数が必要なこともあります。
逆に中小企業の一般的なサイトなら、少人数でも十分制作できます。
大切なのは会社の人数ではなく、自分の案件に誰が関わり、どのような仕事をしてくれるのかです。
「何ができますか?」より「なぜそうするのですか?」を聞いてみる
制作会社を見極めるとき、個人的におすすめなのが理由を聞くことです。
例えば、
- なぜWordPressを使うのか
- なぜこのページ構成なのか
- なぜこのサーバーなのか
- なぜこのデザインなのか
- なぜこの機能が必要なのか
という質問です。
しっかり考えて提案している制作会社なら、その理由を説明できるはずです。
「普通はこうです」「みんなこうしています」だけではなく、自社にとってなぜ必要なのか説明してもらいましょう。
制作会社は「何でもできます」と言わない会社の方が信用できることもある
WEB制作では、できることが非常に幅広くなっています。
- ホームページ
- EC
- システム開発
- 動画
- 広告
- SEO
- SNS
- ブランディング
全部を最高レベルで一社だけでできる会社は多くありません。
できないことや専門外のことについて、
これは弊社より専門会社へ依頼した方がいいです。
と言える会社の方が、結果的に信用できるケースもあります。
仕事を取ることより、依頼者にとって良い方法を優先しているからです。
ホームページ制作会社へ相談するときに準備しておくこと
制作会社側へ質問するだけでなく、依頼者側でもある程度整理しておくと話が進みやすくなります。
- ホームページを作る目的
- ターゲット
- 必要なページ
- 必要な機能
- 希望公開日
- 予算
- 参考サイト
- 写真・原稿などの素材
- 現在利用しているサーバー・ドメイン
すべて決めておく必要はありません。分からない部分を整理・提案することも制作会社の仕事です。
この15項目すべて完璧な会社でなくてもいい
ここまで15項目紹介しましたが、すべてに理想的な回答をする会社だけを探す必要はありません。
重要なのは、
- 契約内容が明確
- 制作体制が分かる
- 費用の理由を説明できる
- できること・できないことを説明できる
- 公開後まで考えている
ということです。
依頼する側と制作する側の認識が合っていれば、多くのトラブルは防げます。
まとめ|契約する前に「公開後」を確認しよう
ホームページ制作会社を選ぶときは、制作実績や料金だけではなく、契約後・公開後のことまで確認することをおすすめします。
特に重要なのは、
- 誰が実際に制作するのか
- 見積もりに何が含まれるのか
- サーバー・ドメインを誰が所有するのか
- 公開後に自社で更新できるのか
- 保守費用はいくらなのか
- 別の制作会社へ引き継げるのか
という部分です。
ホームページ制作会社は「サイトを作ってくれる会社」ではなく、数年間使うWEB資産を一緒に作る相手です。
数万円安いかどうかだけで決めるより、分からないことをきちんと説明してくれ、必要なことと不要なことを整理してくれる会社を選ぶ方が、結果的には失敗しにくいと思います。
そして契約前に少しでも疑問があるなら、遠慮せず質問しましょう。
その質問にどう答えてくれるか自体が、制作会社を選ぶための判断材料になります。


