Google Stitchとは?AIでWebデザインはどこまで作れる?Figmaは不要になるのか【2026年版】

WEB制作

AIでWEBサイトを作る。

少し前までは、

「AIにHTMLを書かせる」

という話が中心でした。

しかし2026年現在、AIはコードだけではなく、WEBサイトやアプリのUIデザインそのものを作るところまでかなり進んでいます。

その中でも注目したいのが、Google Labsが開発しているGoogle Stitchです。

文章で、

「高級感のある飲食店の予約サイトを作って」

と伝える。

それだけで、WEBサイトやアプリの画面案を生成できます。

さらに現在のStitchは、単に1枚のデザイン画像を作るだけではありません。

  • 複数画面のUI生成
  • 自然言語によるデザイン修正
  • 音声による指示
  • プロトタイプ作成
  • デザインシステムの管理
  • HTML・CSSなど開発工程への展開

まで行えるようになっています。

先に結論

Google Stitchは、WEBデザインの「最初の案を作る作業」をかなり高速化できるツールです。

ただし、これだけでWEBデザイナーが不要になるとは思いません。

むしろAIによって「画面を作るだけ」の価値が下がり、何を作るか、なぜそうするのかを判断できる人の価値が上がると考えています。

Google Stitchとは?

Google Stitchは、Google Labsが提供しているAIを使ったUIデザインツールです。

もともとは2025年に発表されたツールですが、2026年3月に大きく進化しました。

Google自身は現在のStitchを、

AI-native software design canvas

と表現しています。

簡単に言えば、

AIと会話しながらWEBサイトやアプリのUIを設計していくツール

です。

従来のデザインツールでは、

  1. フレームを作る
  2. 四角形を配置する
  3. 文字を置く
  4. 色を決める
  5. 余白を調整する

という作業を、人間が一つずつ行っていました。

Stitchでは、先に目的を伝えることができます。

例えば、

「30代女性向けの高級スキンケア商品のLP。白を基調に、余白を広く取り、商品写真を大きく見せたい」

といった指示です。

そこからAIが画面案を作り、人間が会話しながら調整していきます。

Googleは「Vibe Design」という言葉を使い始めた

Stitchの進化で面白いのが、GoogleがVibe Design(バイブデザイン)という考え方を打ち出していることです。

最近はAIに指示しながらコードを書く「Vibe Coding」という言葉が使われるようになりました。

それのデザイン版です。

細かな数値を最初から全部指定するのではなく、

  • どんな印象にしたいか
  • 誰に使ってほしいか
  • 何を達成したいのか
  • どんなブランドなのか

をAIへ伝えながらデザインを作っていきます。

例えば、

「もっと若い印象に」

「高級感は残しつつ親しみやすく」

「この商品を一番目立たせたい」

という指示です。

人間のデザイナーへ口頭で指示する感覚にかなり近づいています。

文章だけでUIデザインを作れる

Stitchの基本は自然言語による指示です。

作りたいものを文章で説明すると、AIがUIを生成します。

例えば、

  • 美容室の予約サイト
  • 飲食店のモバイルオーダー画面
  • ECサイトの商品ページ
  • SaaSの管理画面
  • スマートフォンアプリ

などです。

これまでなら、最初にワイヤーフレームを作って、その後デザインを起こしていたような作業を、かなり短時間で試せます。

ここで重要なのは、最初から完成品を作らせる必要はないということです。

3案、5案と出して比較する。

良いところだけ組み合わせる。

そういう使い方の方がAIとの相性は良いと思います。

画像や既存デザインも参考にできる

Stitchでは文章だけでなく、画像などをコンテキストとして与えることもできます。

例えば、

「この雰囲気を参考にして」

という使い方です。

既存のブランドイメージやラフスケッチなどをもとに、別のUIへ発展させることができます。

つまり、

ゼロからAIに考えさせるだけではなく、人間が方向性を与えてAIに展開させる

という使い方ができます。

音声でデザインを修正できる

2026年版Stitchのかなり面白い機能が音声操作です。

Googleは、キャンバスへ話しかけながらデザインを修正できる機能を追加しています。

例えば、

「メニューを3パターン見せて」

「もっと落ち着いた色にして」

「このページの別案を作って」

といった指示です。

画面を見ながら、デザイナーと話しているように修正していくわけです。

これはWEB制作の打ち合わせ方法まで変える可能性があります。

複数ページをつないでプロトタイプにできる

WEBサイトやアプリでは、1画面だけ作れても実務では足りません。

トップページ。

一覧。

詳細。

ログイン。

購入。

確認。

完了。

ユーザーは複数の画面を移動します。

Stitchでは生成した画面同士をつなぎ、実際にクリックできるプロトタイプを作ることができます。

さらにAIが次に必要になりそうな画面を生成して、ユーザーフローを広げることもできます。

つまり、

「見た目」だけではなく、「どう動くか」までAIと考えられる

ということです。

デザインシステムもAIに理解させられる

WEB制作ではページごとに好き勝手なデザインを作ればいいわけではありません。

例えば、

  • ブランドカラー
  • フォント
  • ボタン
  • 余白
  • 角丸
  • アイコン

などにはルールがあります。

Stitchではこうしたデザインルールを扱うために、DESIGN.mdという仕組みが用意されています。

Googleは2026年4月に、このDESIGN.mdのドラフト仕様をオープンソース化しました。

つまり、AIに、

「この会社ではこの色を使う」

「このボタンはこうする」

といったデザインルールを理解させ、それを別の画面でも維持していく考え方です。

AIデザインが実務で使えるかどうかは、「きれいな1画面を作れるか」より「ブランド全体で一貫性を保てるか」の方が重要です。

HTML・CSSなど開発側へつなげられる

WEBデザインのAIツールを見るとき、個人的にかなり重要なのが、

「そのあとどうするの?」

という部分です。

画像だけ生成されても、それを見ながら結局ゼロからコーディングするのであれば、実務効率はそれほど上がらない場合があります。

Stitchは当初から、生成したUIをHTML・CSSなどのフロントエンドコードへつなげたり、Figmaへ持っていったりすることを想定して作られています。

2026年にはさらに、Google AI StudioやGoogleの開発ツール、Netlifyなどとつないで公開する流れも強化されています。

デザイン生成。

プロトタイプ。

コード。

公開。

この距離がかなり短くなっています。

ではFigmaはいらなくなる?

Stitchを見ると、

「もうFigmaいらないのでは?」

と思う人もいるでしょう。

現時点では、そこまで単純ではないと思います。

Figmaは単なる画面作成ツールではありません。

  • コンポーネント管理
  • デザインシステム
  • 共同編集
  • コメント
  • 開発者との連携
  • プロトタイプ

など、制作現場全体のワークフローとして使われています。

そのため、すぐに、

「Figmaを全部やめてStitchへ」

という話にはならないでしょう。

ただし、Figmaを開いてゼロから画面を作る前の工程はかなり変わる可能性があります。

「0→1」のデザイン作業はかなりAIに置き換わると思う

WEB制作で意外と時間がかかるのが、最初の案です。

何もない白い画面から、

  • レイアウト
  • 見出し
  • 写真配置
  • ボタン
  • 情報設計

を考えていきます。

この0→1の部分は、今後かなりAIへ移ると思います。

まずAIに10案くらい作らせる。

そこから人間が、

「これは違う」

「この構成は使える」

「こことここを組み合わせよう」

と判断する。

この方が圧倒的に速い場面は増えるでしょう。

ではWEBデザイナーはいらなくなるのか

ここが一番気になるところだと思います。

私は、

「WEBデザイナーがいらなくなる」のではなく、「画面を作るだけのWEBデザイナーは厳しくなる」

と考えています。

AIが1分でそれなりの画面を作れるなら、

Figmaを操作できる。

Photoshopを操作できる。

きれいなレイアウトが作れる。

というだけでは、以前より価値を出しにくくなります。

でも、WEB制作の仕事は本来そこだけではありません。

AIには「何を作るべきか」を決めてもらわなくていい

例えば、ある会社が、

「ホームページをリニューアルしたい」

と言ったとします。

ここで本当に必要なのは、いきなりデザインすることではありません。

まず、

  • なぜリニューアルするのか
  • 誰に見てもらうのか
  • 何を問い合わせてほしいのか
  • 今のサイトの何が悪いのか
  • 競合と何が違うのか
  • 何を一番伝えるべきなのか

を考える必要があります。

この部分を飛ばして、

「かっこいいサイトを作って」

とAIへ指示しても、かっこいいだけのサイトができます。

AIが高品質なデザインを作れるようになっても、「何を作るべきか」という判断まで自動的に正しくなるわけではありません。

デザインは目的ではなく手段

これはAI時代になっても変わらないと思います。

私は以前から、デザインそのものを目的にする考え方には違和感があります。

WEBサイトなら、本来の目的は、

  • 商品を売る
  • 問い合わせを増やす
  • 採用につなげる
  • 会社を理解してもらう
  • ブランド価値を高める

といったところにあります。

デザインはその目的を実現するための手段です。

AIがデザインを作れるようになればなるほど、この考え方はむしろ重要になります。

「きれいな画面を作る」こと自体が簡単になるからです。

WEBデザイナーの仕事は「作る」から「選ぶ」に変わる

これからデザイナーに求められる能力の一つは、

選ぶ能力

だと思います。

AIが10案出してきたときに、

どれが良いか。

なぜ良いのか。

どこを直すべきか。

そもそも全部違うのか。

ここを判断できる人です。

AIは案を大量に出すのが得意です。

しかし、出てきた案を全部採用するわけではありません。

むしろ選択肢が増えるほど、判断する力が必要になります。

「AIを使えば誰でもデザイナー」にはならないと思う

AIツールが登場すると、よく、

「これで誰でもデザイナーになれる」

という話が出ます。

確かに以前よりは簡単になります。

でも、

カメラが高性能になったから、全員がプロカメラマンになったわけではありません。

Canvaが登場したから、全員がグラフィックデザイナーになったわけでもありません。

WordPressが簡単になったから、全員がWEB制作会社になったわけでもありません。

道具が簡単になることと、仕事として成果を出せることは別です。

むしろ「デザインできます」のハードルは上がる

AIによって平均的なデザインの品質が上がると、面白いことが起きます。

普通にきれいなものを作れることが、特別ではなくなります。

今までなら、

「この人デザインうまいな」

と思われていたレベルのものを、AIが簡単に作るようになるかもしれません。

そうすると人間側は、さらにその先を求められます。

  • ブランドを理解する
  • ユーザーを理解する
  • 売れる導線を考える
  • 情報を整理する
  • 競合との差を作る
  • 実装まで理解する

といった能力です。

コーディングを理解しているデザイナーはさらに強くなる

Stitchのようなツールは、デザインからコードまでの距離を縮めています。

これは逆に、WEBデザイナーがHTMLやCSSを理解しなくてもよくなる、という意味にも見えます。

ただ個人的には逆だと思っています。

AIがコードを生成するようになるほど、

そのコードが正しいのか判断できる人が必要になります。

レスポンシブ。

アクセシビリティ。

SEO。

表示速度。

保守性。

ブラウザ差。

AIが吐き出したものをそのまま納品するのではなく、WEBとして成立しているか確認する知識は必要です。

Stitchは制作会社の提案にもかなり使えそう

実務で個人的にかなり使えそうだと思うのが、提案段階です。

これまでWEB制作では、契約前にデザインを作り込みすぎると工数がかかります。

一方、言葉だけではクライアントに完成イメージが伝わりにくいことがあります。

そこでStitchを使い、

  • 方向性A
  • 方向性B
  • 方向性C

くらいを短時間で見せる。

「こういう方向ですね」

と認識を合わせてから、本制作へ進む。

こういう使い方なら、かなり効率が上がると思います。

クライアントとの打ち合わせ中に作る時代も来そう

さらに音声操作が進化すると、打ち合わせ方法も変わりそうです。

例えばクライアントと話しながら、

「もっと商品を大きくしてください」

「では、この場で変えてみます」

とAIへ指示する。

数秒後に別案が出る。

以前なら、

打ち合わせ。

持ち帰る。

デザイン修正。

メールで送る。

また修正。

という流れだったものが、その場で進む可能性があります。

制作スピードはかなり変わるでしょう。

AIで制作時間が減ったら制作費も安くなる?

おそらく今後、こういう話も増えます。

「AIで早くできるなら安くできますよね?」

という話です。

でも、制作費は単純な作業時間だけで決まるものではありません。

例えばプロが1時間でできることを、初心者が10時間かけたとします。

10時間かかった方が価値が高いわけではありません。

むしろ経験や技術によって短時間で高品質なものを作れること自体に価値があります。

AIを使って制作時間を短縮できるなら、

その分、

  • 企画
  • 分析
  • 改善
  • 撮影
  • コンテンツ
  • 集客

など、別の部分へ時間を使えるようになります。

AI時代に一番危ないのは「ツール操作だけ」の人

Photoshopが使える。

Illustratorが使える。

Figmaが使える。

WordPressが使える。

こうしたスキルはもちろん必要です。

ただし、それ自体を仕事の価値にしていると、AIの影響を受けやすいと思います。

ツールは変わるからです。

重要なのは、

ツールを使って何を解決できるのか。

ここです。

「Figmaが使える人」ではなく、「売れるWEBサイトを設計でき、そのためにFigmaでもStitchでも使える人」。

今後強いのは、こちらだと思います。

Stitchを試す価値がある人

特に次のような人は、一度触ってみる価値があると思います。

  • WEBデザイナー
  • WEBディレクター
  • UI・UXデザイナー
  • フロントエンドエンジニア
  • 個人でWEB制作をしている人
  • SaaSやアプリを作りたい人
  • デザイン案を短時間で大量に出したい人

「今の仕事が全部これに置き換わるのか?」

と怖がるより、実際に使ってみた方が早いです。

できること。

できないこと。

まだ人間の方が良いところ。

そこが見えてきます。

AIデザインツールは今後さらに増える

Google Stitchだけが特別というわけではありません。

現在は、Figmaをはじめ、多くのデザイン・開発サービスがAIを取り入れています。

WEB制作とAIの境界線は、今後さらに薄くなると思います。

数年後には、

「AIでデザインを作る」

という言葉自体をわざわざ使わなくなっている可能性もあります。

Photoshopに「デジタルで画像を編集する機能があります」と毎回説明しないのと同じです。

AIを使うこと自体が普通になるからです。

まとめ|Stitchが変えるのはデザイナーではなく、デザインの作り方

Google Stitchは、自然言語や音声を使ってWEBサイトやアプリのUIを作れるAIデザインツールです。

2026年現在は、

  • 自然言語からUI生成
  • 画像やコードを使ったデザイン
  • 音声による修正
  • 複数画面のプロトタイプ
  • デザインシステム管理
  • 開発工程への連携

まで進化しています。

これを見ると、WEBデザイナーの仕事がなくなるようにも見えます。

でも個人的には少し違います。

AIによって「画面を作る」という作業の価値が下がる。

その代わり、

  • 何を作るか
  • 誰に向けて作るか
  • 何を伝えるか
  • どう売るか
  • どの案を選ぶか
  • どう改善するか

を判断できる人の価値が上がる。

そう考えています。

デザインは目的ではなく手段です。

AIがその手段を高速化してくれるのであれば、使えばいい。

そして浮いた時間を、AIには簡単に代わりにくい企画・判断・提案・顧客理解へ使う。

Google Stitchの登場は、WEBデザイナーが不要になるニュースというより、

「WEBデザイナーはこれから何を価値にするのか?」

を考えるきっかけなのではないでしょうか。

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