ShopifyでBtoB・卸売サイトを作ろうと調べたことがある人なら、
ShopifyのB2B機能を使うならShopify Plusが必要。
という情報を見たことがあると思います。
実際、以前はShopifyのネイティブB2B機能を本格的に利用するなら、月額費用がかなり高額なShopify Plusが基本でした。
ところが2026年、この状況が大きく変わっています。
Shopifyは2026年4月、Basic・Grow・Advancedプランにも主要なB2B機能を開放しました。
つまり現在は、普通のShopifyプランでも、
- 法人顧客を登録する
- B2B専用価格を設定する
- B2B専用商品を販売する
- 数量による価格設定をする
- 掛け払い条件を設定する
- BtoCとBtoBを1つのショップで運用する
といったことが可能になっています。
これは小規模事業者やメーカー、食品会社などにとって結構大きな変更です。
今回は2026年現在のShopify公式情報をもとに、普通のShopifyでどこまでB2Bサイトを作れるようになったのかを整理してみます。
- 結論:Shopify B2BはもうPlus限定ではない
- いつから変わった?2026年4月にB2B機能を開放
- Basicプランでも「法人」を登録できる
- B2B専用価格を設定できる
- Basic・Grow・Advancedでは最大3カタログ
- B2Bだけに商品を見せることもできる
- BtoC+BtoBを同じショップで運用できる
- B2B顧客はログインして専用価格を見る
- 数量によって値段を変えることもできる
- 掛け払いにも対応できる
- クレジットカードを法人アカウントに保存できる
- 注文を「即確定」させない運用もできる
- ではShopify Plusは何のためにある?
- 料金差はかなり大きい
- 例えば小規模メーカーならBasicでも十分ありえる
- 「取引先ごとに価格が全部違う」ならPlusを検討
- 「B2Bサイト=別サイト」が必ずしも必要ではなくなった
- Shopifyとカラーミー・STORESなどの比較も変わってくる
- 逆に「共通パスワードだけ」でいいならオーバースペックかも
- ECサービスは機能一覧だけで選ぶと失敗しやすい
- 古いShopify B2Bの記事には注意
- まとめ|小規模B2BでもShopifyがかなり現実的になった
結論:Shopify B2BはもうPlus限定ではない
まず結論から。
2026年現在、Shopify B2BはBasic・Grow・Advanced・Plusのすべての主要プランで利用できます。
Shopify公式ヘルプでも、現在は明確に、
「Shopify B2B is available on all plans」
と案内されています。
日本向け料金ページにも、Basicプランから、
Shopify B2B 最大3つのカタログ
と記載されています。
以前の情報を検索すると、
ShopifyでB2BをするならPlusが必要。
という記事がまだかなり出てきますが、2026年現在はこの情報は古くなっています。
いつから変わった?2026年4月にB2B機能を開放
Shopifyは2026年4月2日、公式Changelogで、
「Key B2B features now available on non-Plus plans」
というアップデートを発表しました。
対象は、
- Basic
- Grow
- Advanced
です。
これらのプランでも追加料金なしで、主要なB2B機能を利用できるようになっています。
Shopify Plusそのものが不要になったわけではありません。高度なB2B機能については現在もPlus限定のものがあります。
Basicプランでも「法人」を登録できる
まず大きいのが、Shopifyに会社(Companies)という概念を登録できることです。
通常のネットショップでは、
顧客=個人
として管理することが多いですが、B2Bでは、
株式会社○○
という会社を作り、その中に担当者や拠点を登録できます。
例えば、
株式会社ABC
├ 東京本社
├ 名古屋営業所
└ 大阪営業所
のような管理です。
会社ごとに、
- 支払条件
- 配送先
- 税設定
- 購入権限
- 商品・価格
などを設定できるため、普通の会員機能とはかなり違います。
B2B専用価格を設定できる
卸売サイトで一番欲しいのは、やはりこれでしょう。
例えば一般のお客様には、
3,000円
で販売している商品を、法人向けには、
2,400円
で販売する。
Shopify B2Bでは、このような価格設定をカタログという機能で管理できます。
例えば、
一般販売価格:3,000円
卸売A:2,400円
卸売B:2,100円
といった価格体系を作ることができます。
Basic・Grow・Advancedでは最大3カタログ
ここがPlusとの大きな違いです。
Basic・Grow・Advancedでは、すべてのB2Bマーケット全体で最大3つの有効なカタログを割り当てられます。
例えば、
- 小売店向け卸価格
- 飲食店向け卸価格
- 代理店向け卸価格
という3種類を作るイメージです。
一方Shopify Plusでは、カタログ数が無制限になります。
取引先ごとに細かく価格を変えたい会社にはPlusが必要になる可能性がありますが、「卸価格を数パターン用意したい」という程度なら通常プランでもかなり対応できます。
B2Bだけに商品を見せることもできる
これもかなり使えます。
例えば、
この業務用商品は一般客には販売したくない。
というケース。
Shopifyでは、商品をB2Bカタログには公開しつつ、一般向けのリージョンカタログから外すことで、B2B顧客だけが購入できる商品として運用できます。
例えば食品メーカーなら、
一般客:200g入りの商品
飲食店:2kg業務用パック
といった販売方法です。
これを1つのShopifyストアで管理できます。
BtoC+BtoBを同じショップで運用できる
個人的には、ここが一番使い道がありそうです。
例えばメーカーの場合、
一般のお客様にも販売したい。
でも、
飲食店や小売店にも卸したい。
というケースはかなりあります。
以前なら、
- BtoC用ECサイト
- BtoB用ECサイト
を別々に作る方法も考えられました。
でもShopify B2BではBlended store(混合型ストア)として、1店舗でBtoCとBtoBを併用できます。
一般ユーザー → 通常価格
B2Bユーザー → ログインすると卸価格
という運用ができます。
B2B顧客はログインして専用価格を見る
では、一般のお客様と法人客をどう判別するのでしょうか。
ShopifyではB2B顧客がCustomer accountsへログインします。
ログインすると、その会社に割り当てられたB2B情報へアクセスできます。
例えば、
- B2B専用商品
- 卸売価格
- 注文履歴
- 会社情報
- 再注文
などです。
単純な「共通パスワードを知っている人だけ安く買える」という方式より、取引先をきちんと管理したB2Bサイトを作れます。
数量によって値段を変えることもできる
卸売では、
10個以上なら1個900円。
50個以上なら1個800円。
という価格設定もよくあります。
Shopify B2BではVolume pricingを利用できます。
例えば、
1~9個:1,000円
10~49個:900円
50個以上:800円
といった設定です。
さらにQuantity rulesを使えば、
- 最低10個から購入可能
- 10個単位で注文
- 最大100個まで
といった購入数量のルールも設定できます。
掛け払いにも対応できる
B2Bではクレジットカードで即時決済するだけではなく、
月末締め・翌月払い
のような取引もあります。
Shopify B2BではPayment termsを使って、
- Net 7
- Net 15
- Net 30
- Net 45
- Net 60
- Net 90
- 商品発送時
- 即時支払い
などの支払条件を設定できます。
つまり、通常のネットショップよりかなり商取引らしい運用ができます。
クレジットカードを法人アカウントに保存できる
B2B顧客が毎回カード番号を入力しなくてもいいように、会社ロケーション単位でクレジットカードを保存する機能もあります。
定期的に仕入れる取引先にとっては便利です。
さらに過去の注文から簡単に再注文する機能も用意されています。
注文を「即確定」させない運用もできる
B2Bでは、注文が入ったら即売買成立ではなく、
一度内容を確認してから正式受注したい。
という会社もあります。
Shopify B2Bでは注文をDraft order(下書き注文)として受け付ける運用も可能です。
例えば、
- 在庫確認
- 送料確認
- 納期調整
- 価格調整
をした後に注文を確定するといった使い方です。
ではShopify Plusは何のためにある?
ここまで見ると、
じゃあShopify Plusいらなくない?
となります。
もちろん、そういうわけではありません。
Plusには通常プランでは使えない高度なB2B機能があります。
カタログ数が無制限
通常プランは最大3つ。
Plusでは無制限です。
会社ごとにカタログを直接割り当てられる
Basic・Grow・Advancedでは基本的にMarketsを利用してB2B顧客をグループ化します。
Plusでは特定の会社や会社ロケーションに対して直接カタログを割り当てることができます。
つまり、
A社:専用価格
B社:専用価格
C社:専用価格
のような取引先別の細かな契約価格を大量に管理するならPlusが向いています。
デポジット・分割支払い
注文時に一定割合だけ先払いしてもらうデポジットや、B2B注文の部分支払いについてもPlus限定機能があります。
高度なストア・チェックアウトの出し分け
Marketsを利用したストア表示やチェックアウト体験の細かなカスタマイズについても、AdvancedやPlusが必要になる機能があります。
料金差はかなり大きい
2026年8月現在、日本向けShopify公式料金では、年払いの場合、
Basic:月額3,650円
Grow:月額10,100円
Advanced:月額44,000円
Plus:月額368,000円~
となっています。
Plusだけ桁が違います。
以前なら、
Shopify標準のB2Bを使いたいならPlus。
だったため、小規模事業者には現実的ではないケースが多かったと思います。
しかし現在はBasicからB2B機能を利用できます。
この変更で「ShopifyはB2Bには高すぎる」という弱点がかなり小さくなりました。
例えば小規模メーカーならBasicでも十分ありえる
例えば、食品メーカーが、
- 一般消費者向け価格
- 小売店向け卸価格
- 飲食店向け卸価格
の3パターンで販売するとします。
この程度ならカタログは2~3個で済みます。
Basicでも十分収まる可能性があります。
さらに、
- 法人だけに業務用商品を表示
- 最低購入数量を設定
- 数量による卸価格を設定
- 法人アカウントでログイン
といった運用までできます。
小規模な卸売ECなら、かなり現実的です。
「取引先ごとに価格が全部違う」ならPlusを検討
一方、
A社は20%引き。
B社は25%引き。
C社は特別価格。
D社はさらに別価格。
という取引先が何十社・何百社と存在するなら話は変わります。
通常プランの3カタログでは足りなくなる可能性があります。
この場合は、
- Shopify Plus
- B2Bアプリ
- 別のECシステム
- 独自システム
なども含めて検討した方がいいでしょう。
「B2Bサイト=別サイト」が必ずしも必要ではなくなった
これも大きいと思います。
以前なら、
一般向けECサイト
+
業者向けECサイト
と2つ作ることを検討する場面もありました。
でもショップを2つ運営すると、
- 商品登録
- 在庫
- 受注管理
- デザイン
- ドメイン
- システム料金
も二重になりやすい。
Shopify B2BのBlended storeなら、1つのショップで一般販売と卸売を管理できます。
商品マスターや注文管理をまとめられるメリットは大きいです。
Shopifyとカラーミー・STORESなどの比較も変わってくる
これまで小規模なBtoB+BtoCショップを考える場合、
Shopifyは高機能だけど、
本格B2BはPlusかアプリが必要。
というのが一つの弱点でした。
2026年4月以降は、この前提そのものが変わっています。
もちろん管理画面の使いやすさや料金だけなら、STORESやカラーミーなどが向いているケースもあります。
ただ、
- BtoC+BtoBを一元管理したい
- 将来的に取引先が増える
- 数量価格が必要
- 掛け払いを使いたい
- 法人アカウントを管理したい
という条件になると、Shopifyはかなり有力になりました。
逆に「共通パスワードだけ」でいいならオーバースペックかも
一方、B2Bといっても要件はいろいろです。
例えば、
業者にだけURLとパスワードを渡して、安い商品ページを見せたい。
程度なら、Shopify B2Bほどの機能は必要ないかもしれません。
もっとシンプルなECサービスや限定公開機能で十分な可能性があります。
「B2Bができるか?」ではなく、「どの程度のB2B管理が必要なのか?」からECサービスを選ぶ方がいいです。
ECサービスは機能一覧だけで選ぶと失敗しやすい
ECサイトの相談でよくあるのが、
ShopifyとSTORESとBASE、どれが一番いいですか?
という質問です。
でも、本来は順番が逆です。
先に、
- 誰に売るのか
- BtoCだけなのか
- BtoBもあるのか
- 価格は何種類あるのか
- 会員登録は必要なのか
- 商品を限定公開するのか
- 掛け払いがあるのか
- 運営者は何人なのか
などを決める。
その後で、それを実現しやすいECサービスを選ぶべきです。
ECサービスありきで仕様を決めるのではなく、必要な運用を整理してからサービスを選ぶ。
これはECサイト制作でかなり重要だと思います。
古いShopify B2Bの記事には注意
今回このテーマで一番注意したいのはここです。
GoogleでShopify B2Bについて検索すると、過去の記事がかなり出てきます。
その中には、
Shopify B2BはPlus限定。
と説明しているものがあります。
これは当時としては正しい情報でも、現在は仕様が変わっています。
ECサービス、AI、SEO、広告などは仕様変更が非常に速いため、比較するときは必ず公式サイトの最新情報を確認した方がいいです。
まとめ|小規模B2BでもShopifyがかなり現実的になった
2026年4月の変更によって、Shopify B2BはPlus専用機能ではなくなりました。
現在はBasic・Grow・Advancedでも、
会社・取引先管理
B2B専用価格
最大3つのB2Bカタログ
数量ルール
ボリューム価格
支払条件
B2B専用商品の販売
BtoC+BtoB混合運用
などを利用できます。
一方、
- カタログを大量に作る
- 取引先ごとに個別価格を設定する
- デポジットを取る
- 部分支払いを利用する
- 高度なB2Bカスタマイズを行う
といった場合はShopify Plusが必要になる可能性があります。
つまり、
小規模~中規模B2B → 通常Shopify
複雑・大規模B2B → Shopify Plus
という選択肢ができたわけです。
特に「一般販売もしながら、取引先には卸価格で販売したい」というメーカーやブランドにとって、Shopifyは以前よりかなり使いやすい選択肢になったと思います。
ECサービスは短期間でも仕様がかなり変わります。
以前「Shopifyでは無理だった」「Plusじゃないとできなかった」という要件も、現在は普通のプランでできるようになっているかもしれません。
ECサイトを新しく作る場合やリニューアルする場合は、過去の記事だけで判断せず、最新の仕様を一度確認してみることをおすすめします。

