2026年8月19日、WordPress 7.1「Mary Lou」が正式リリースされました。
WordPressの大型アップデートというと、
また何か変わったらしいけど、結局自分には関係あるの?
という人も多いと思います。
今回のWordPress 7.1は、派手に見た目が変わるアップデートというより、実際にサイトを作ったり更新したりする人にとって便利な改善がかなり入っています。
特に個人的に気になったのが、
- レスポンシブ設定の強化
- 画像編集機能の刷新
- Notes機能の強化
- Tabs・Playlistブロックの追加
- 画像処理のパフォーマンス改善
- AIや自動化につながるAPIの強化
あたりです。
WordPressだけでできることが、また少し増えました。
今回はWordPress 7.1で何が変わったのか、単純に新機能を羅列するのではなく、WEB制作やサイト運営で実際に使えそうなのか?という視点で見ていきます。
- WordPress 7.1は2026年8月19日に正式リリース
- 一番気になったのは「レスポンシブ設定」の強化
- とはいえCSSが不要になるわけではない
- 画像編集機能がかなり使いやすくなった
- 画像アップロード時のサーバー負荷も軽くなる
- GIFを動画へ変換する機能も
- 「Notes」が共同作業でかなり使えそう
- これ、制作会社には地味に便利かもしれない
- 新しく「Tabs」ブロックが追加
- Playlistブロックも追加
- 管理バーがエディターでも表示されるように
- 開発者向けでは「Abilities API」がかなり気になる
- WordPress × AIは今後かなり面白くなりそう
- WordPress 7.1へ今すぐアップデートして大丈夫?
- アップデート前に最低限やっておきたいこと
- WordPressはどんどん「ノーコード寄り」になっている
- 「作れる」と「良いサイトを作れる」は別の話
- まとめ|WordPress 7.1は「制作の面倒」を少しずつ減らすアップデート
WordPress 7.1は2026年8月19日に正式リリース
WordPress 7.1は、2026年8月19日に正式公開されました。
コードネームは「Mary Lou」。
ジャズピアニスト・作曲家・編曲家として知られるMary Lou Williamsにちなんで名付けられています。
WordPress公式によると、今回のアップデートでは1,500以上の改善・修正が行われています。
単なる細かなバグ修正ではなく、編集画面、デザイン、画像処理、共同作業、開発者向け機能など幅広い部分が変更されています。
WordPress 7.1はメジャーアップデートです。既存サイトを更新する場合は、テーマやプラグインとの互換性を確認したうえで実施することをおすすめします。
一番気になったのは「レスポンシブ設定」の強化
WEB制作者として一番気になったのはこれです。
WordPress 7.1では、Site Editor上で画面サイズごとにブロックのスタイルを設定できるレスポンシブ機能が強化されました。
つまり、
PCではこのサイズ
タブレットではこのサイズ
スマートフォンではこのサイズ
といった調整を、WordPress側から行いやすくなっています。
これまでは細かなレスポンシブ調整をしようとすると、結局CSSを書かなければならない場面がかなりありました。
例えば、
- PCでは大きな余白
- スマホでは余白を小さくする
- 画面サイズによって文字サイズを変える
- デバイスによってレイアウトを調整する
といった処理です。
WordPress 7.1では、こうしたレスポンシブデザインをWordPress標準機能で扱える範囲が広がっています。
これは将来的に「ちょっとしたCSSなら書かなくてもWordPressだけで作れる」という方向へ進んでいるように感じます。
とはいえCSSが不要になるわけではない
ここは勘違いしない方がいいです。
WordPress標準のレスポンシブ機能が強くなったからといって、WEB制作でCSSが必要なくなるわけではありません。
オリジナルデザインのWEBサイトを作るなら、
- 複雑なレイアウト
- 細かな余白調整
- 独自アニメーション
- 特殊なブレークポイント
- 細かなデザイン再現
など、CSSを使った方が圧倒的に自由です。
ただ、
スマホだけ文字を少し小さくしたい。
とか、
PCとスマホで余白を変えたい。
といった作業まで毎回CSSを書く必要がなくなるなら、制作効率は上がります。
画像編集機能がかなり使いやすくなった
WordPress 7.1ではメディア編集画面も刷新されています。
WordPress上で画像に対して、
- 自由なトリミング
- アスペクト比を指定したトリミング
- 左右反転
- 上下反転
- 細かな回転
- メタデータ編集
などを行える専用の編集画面が用意されました。
これまでもWordPressには簡単な画像編集機能がありましたが、正直、
画像ソフトで直した方が早い。
という場面も多かったと思います。
今回の変更で、簡単な画像調整ならWordPress内で済ませやすくなっています。
ブログ運営者や、クライアント自身がサイトを更新する場合には結構便利な改善です。
画像アップロード時のサーバー負荷も軽くなる
さらに個人的に気になったのが画像処理です。
WordPress 7.1では、画像の圧縮・リサイズ・サムネイル生成などをブラウザ側で処理できる仕組みが導入されています。
公式によると、WebAssembly版のlibvipsを利用して画像処理をブラウザ側で行うことで、サーバー側の処理負荷を軽減します。
WordPressでは画像をアップロードすると、
- サムネイル
- 中サイズ
- 大サイズ
- テーマやプラグインが追加したサイズ
など複数の画像が自動生成される場合があります。
高解像度の画像をアップロードしたときに、サーバーのメモリ不足などで処理に失敗した経験がある人もいるかもしれません。
画像処理の一部をユーザーのブラウザ側へ移すことで、大きな画像を扱ったときのサーバー負荷やタイムアウトを減らせる可能性があります。
GIFを動画へ変換する機能も
WordPress 7.1では、GIF画像を動画形式へ変換する機能もオプションとして追加されています。
GIFアニメーションは便利ですが、ファイルサイズがかなり大きくなることがあります。
同じような映像でも動画形式にすることでファイルサイズを小さくできる場合があります。
WEBサイトの表示速度を考えると、これは理にかなった方向です。
ただし、この機能はすべてのサイトで無条件に利用するものではありません。
利用環境や用途に合わせて判断した方がいいでしょう。
「Notes」が共同作業でかなり使えそう
WordPress 7.1では、編集画面のNotes機能も強化されています。
Notesは簡単に言えば、WordPressの記事やページに対してコメントを残せる機能です。
今回のアップデートでは、
- 文章の一部分にNoteを付ける
- 太字・斜体などのリッチテキスト
- リンクを追加する
- @メンションする
- 複数の会話を管理する
といったことができるようになっています。
例えばWEB制作なら、
ディレクター:「ここの文章を変更してください」
デザイナー:「この画像は差し替え予定です」
クライアント:「この表現だけ修正お願いします」
といったやり取りをWordPress内で行いやすくなります。
これ、制作会社には地味に便利かもしれない
WEB制作では、修正指示がいろいろな場所に散らばりがちです。
- メール
- LINE
- チャット
- Excel
- Googleドキュメント
そして最終的に、
どれが最新版の修正指示だっけ?
となります。
もちろんNotesだけですべて解決するわけではありませんが、WordPress上で直接修正箇所にコメントを残せるのは分かりやすい。
複数人で記事を編集するメディア運営でも使いやすそうです。
新しく「Tabs」ブロックが追加
WordPress 7.1では、新しいブロックとしてTabsが追加されています。
WEBサイトでよく見る、
商品情報 | スペック | よくある質問
のように、クリックすると表示内容が切り替わるUIです。
これまでタブUIを作ろうとすると、
- プラグインを入れる
- テーマ独自機能を使う
- HTML・CSS・JavaScriptを書く
などの方法が一般的でした。
WordPress標準ブロックとして使えるようになることで、簡単なタブコンテンツならかなり作りやすくなります。
Playlistブロックも追加
もう一つ追加されたのがPlaylistブロックです。
複数の音声や動画などをまとめてプレイリストとして表示できます。
例えば、
- ポッドキャスト
- インタビュー
- 音楽
- 講座動画
- 製品紹介動画
などを掲載するサイトでは使えそうです。
すべてのサイトで使う機能ではありませんが、WordPress標準ブロックの表現力は確実に増えています。
管理バーがエディターでも表示されるように
地味ですが使い勝手に影響しそうなのが、管理バーです。
WordPress 7.1では、ダッシュボードだけではなく各エディターでも管理バーが継続して表示されるようになっています。
ページ編集、サイト編集などを行き来していると、
今どこにいるんだ?
となることがあります。
管理バーが共通して表示されることで、WordPress内の移動が少し分かりやすくなっています。
開発者向けでは「Abilities API」がかなり気になる
一般ユーザーには直接関係しないかもしれませんが、今後を考えると面白いのがAbilities APIです。
Abilities APIはWordPress 6.9で導入された仕組みで、WordPress上で実行できる「能力・操作」を共通の方法で定義できるAPIです。
WordPress 7.1では、この仕組みがさらに強化されています。
WordPress公式も、今回の改善についてAIを使ったツールや自動化との統合を構築しやすくなると説明しています。
つまりWordPress自体が、AIや外部ツールから操作される未来をかなり意識しているように見えます。
WordPress × AIは今後かなり面白くなりそう
現在でもAIを使えば、
- 記事を書く
- 画像を作る
- コードを書く
- SEOを分析する
- 文章を校正する
といったことができます。
ただ、多くの場合は、
AIで作る → コピーする → WordPressへ貼る
という流れです。
WordPress側のAPIや自動化機能が整っていけば、将来的には、
AIに指示する → WordPress側で直接作業が実行される
という形がもっと一般的になる可能性があります。
今回の7.1だけで突然そこまで変わるわけではありませんが、そのための土台が少しずつ作られているように感じます。
WordPress 7.1へ今すぐアップデートして大丈夫?
ここがサイト運営者にとって一番重要かもしれません。
WordPress公式のリリースアーカイブでは、現在7.1系が最新の積極的にメンテナンスされている系列として案内されています。
とはいえ、
本番サイトで「新しいバージョンが出た!即アップデート!」はおすすめしません。
WordPress本体だけでWEBサイトが動いているわけではないからです。
多くのサイトでは、
- テーマ
- プラグイン
- PHP
- 独自カスタマイズ
- サーバー環境
などが組み合わされています。
WordPress本体では問題がなくても、テーマやプラグイン側が新バージョンに対応していないことで不具合が出る可能性があります。
アップデート前に最低限やっておきたいこと
既存サイトをWordPress 7.1へ更新するなら、最低限以下は確認しておきたいところです。
- サイト全体のバックアップ
- データベースのバックアップ
- 利用テーマの対応状況
- 主要プラグインの対応状況
- PHPバージョン
- 可能ならテスト環境での確認
特に仕事で管理しているクライアントサイトなら、更新後に表示・フォーム・管理画面などを一通り確認した方がいいでしょう。
WordPressのアップデートそのものより、アップデート後に「何が正常ならOKなのか」を把握しておくことの方が重要だったりします。
WordPressはどんどん「ノーコード寄り」になっている
WordPress 7.1を見ていて感じるのは、WordPress自体がどんどんコードを書かなくてもサイトを作れる方向へ進んでいることです。
Site Editor、ブロック、Global Styles、Patterns。
そして今回のレスポンシブスタイル。
昔ならHTML・CSSを書かなければできなかったことが、WordPressの管理画面からできるようになっています。
ではWEB制作者はいらなくなるのか?
個人的には逆だと思っています。
「作れる」と「良いサイトを作れる」は別の話
WordPressで簡単にサイトが作れるようになることと、良いWEBサイトが作れることは別です。
例えば、
- 誰に見せるのか
- 何を伝えるのか
- どの順番で見せるのか
- どんなデザインにするのか
- どう問い合わせにつなげるのか
- どう検索流入を増やすのか
という部分は、WordPressが自動で決めてくれるわけではありません。
WEB制作ツールが便利になるほど、「作業」より「設計・判断」の価値が大きくなると思います。
AIも同じです。
AIでコードを書ける。
AIで画像を作れる。
WordPressで簡単にレイアウトできる。
でも、最終的に何を作るべきなのかを判断する仕事は残ります。
まとめ|WordPress 7.1は「制作の面倒」を少しずつ減らすアップデート
WordPress 7.1は、見た瞬間にサイトが別物になるようなアップデートではありません。
でも実際にサイトを作る側から見ると、かなり気になる改善があります。
レスポンシブ設定の強化
画像編集の改善
画像処理の負荷軽減
Notesによる共同作業
Tabs・Playlistブロック
AI・自動化を見据えたAPI強化
というように、制作・更新時の「ちょっと面倒だったこと」が少しずつWordPress標準機能に取り込まれています。
特にレスポンシブスタイルとAbilities APIは、今後のWordPressがどこへ向かっているのかを見る意味でも面白い機能です。
WordPressは単なるブログCMSから、「WEB制作・コンテンツ管理・AI・自動化」のプラットフォームへ少しずつ変わっているように感じます。
WordPressを仕事で使っている人なら、7.1は一度チェックしておいて損はないアップデートだと思います。


