Googleで検索すると広告が出る。
Instagramを見ていても広告が出る。
YouTubeにも広告が出る。
そこに、もうひとつ大きな広告媒体が加わろうとしています。
ChatGPTです。
OpenAIは「ChatGPT Ads」という広告プラットフォームを展開しています。
さらに2026年9月16日、新しい広告機能を発表しました。
Shopifyとの連携。
AIを使った広告作成。
そして、広告をクリックしたあと、その企業のAIとそのまま会話できる「Sponsored Agents」。
ChatGPT広告は、Google広告やSNS広告のコピーがもうひとつ増える、という話ではなさそうです。広告を見たあとに「企業と会話する」という導線が入り始めています。
まだ始まったばかりなので、日本企業が今すぐ広告費を移すような段階ではありません。
ただ、WEB集客をしている会社なら知っておいた方がいい変化です。
- ChatGPT Adsとは?
- ChatGPTにも広告が表示される時代になった
- Google広告と何が違う?
- ChatGPTでは検索が会話になる
- 広告をクリックしたあとも会話できる「Sponsored Agents」
- LPを読ませる広告から、質問に答える広告へ
- 100人いれば100通りの説明になる
- じゃあLPはいらなくなる?
- WEBサイトに求められる情報も変わるかもしれない
- ShopifyとChatGPT Adsが直接つながる
- Shopifyの商品をChatGPT広告へ使える
- OpenAI Pixelも使う
- Shopify管理画面からキャンペーンを作れる
- 2026年9月23日から国際展開
- ChatGPTから広告運用までできる
- 「管理画面を操作する仕事」が減っていく
- 広告運用者の仕事がなくなる?
- AIで広告作成が簡単になるほど「元ネタ」が重要になる
- AI広告だから広告費が安くなるわけではない
- Google広告から全部乗り換える話でもない
- ChatGPT広告とGoogle広告は競合しながら併用されそう
- ChatGPT広告と相性が良さそうな商品
- 逆に説明がほとんどいらない商品もある
- 中小企業は今すぐ何をすればいい?
- 価格を隠しすぎない
- FAQをちゃんと作る
- 商品データを適当にしない
- 広告用LPだけ作ればいい時代から少し変わる
- ChatGPT広告で一番面白いのは「広告の後」
- 広告担当とWEB担当も分けにくくなる
- ChatGPT広告はまだ始まったばかり
- 参考:OpenAI公式情報
ChatGPT Adsとは?
ChatGPT Adsは、ChatGPT内に広告を掲載するための広告プラットフォームです。
OpenAIは以前からChatGPTで広告のテストを進めていましたが、2026年9月には広告主向けの機能をさらに拡張しました。
今回発表された主な内容は、
- Sponsored Agentsのテスト
- ChatGPTから広告キャンペーンを作成・変更・分析
- Ads ManagerのAIクリエイティブ機能
- HubSpotとの連携
- Shopifyとの連携
です。
単にChatGPTの画面へバナーを貼る、という仕組みではありません。
ChatGPTにも広告が表示される時代になった
これまでChatGPTは「質問するとAIが答えてくれるサービス」という印象が強かったと思います。
でも使われ方はかなり広がっています。
文章を書く。
調べ物をする。
旅行を探す。
商品を比較する。
何を買うか相談する。
仕事で使うツールを探す。
つまり、Google検索でやっていたことの一部をChatGPTでやる人が出てきています。
商品やサービスを探す場所に人が集まれば、当然そこには広告市場ができます。
Google広告と何が違う?
Google検索広告では、ユーザーがキーワードを検索します。
たとえば、
「名古屋 ホームページ制作」
「ランニングシューズ おすすめ」
「BMW 車検 愛知」
といった検索です。
その検索結果に広告が表示され、クリックすると企業のWEBサイトやLPへ移動します。
ChatGPTでは、この「検索キーワード」が少し違います。
ChatGPTでは検索が会話になる
たとえばGoogleなら、
「ノートパソコン おすすめ 動画編集」
と検索するかもしれません。
ChatGPTなら、
「動画編集用のノートPCを探してる。Premiere Proを使う。持ち運ぶから軽めがいい。予算20万円くらい」
と普通に相談できます。
さらに、
「MacじゃなくWindowsで」
「画面は15インチ以上がいい」
「この3台ならどれ?」
と条件を追加できます。
検索キーワード数個ではなく、会話の中に購入条件がかなり細かく入ってくる。ここが従来の検索広告との大きな違いです。
広告をクリックしたあとも会話できる「Sponsored Agents」
今回の発表で個人的に一番気になったのがSponsored Agentsです。
OpenAIは現在、米国の一部広告主とテストしています。
仕組みは面白いです。
ChatGPTで広告を見る。
広告をクリックする。
すると、広告主である企業が提供するAIエージェントと会話できます。
たとえばダイニングテーブルの広告が出たとします。
普通のWEB広告なら、クリックして商品ページへ移動します。
Sponsored Agentなら、その先で、
「6人家族でも使える?」
「横幅180cmの部屋に置ける?」
「この素材の手入れはどうする?」
と、そのまま聞けます。
LPを読ませる広告から、質問に答える広告へ
WEB広告では、これまでLPがかなり重要でした。
広告をクリック。
キャッチコピー。
商品の特徴。
メリット。
料金。
FAQ。
申し込み。
上から順番に情報を読んでもらい、コンバージョンまで持っていく。
Sponsored Agentsでは、この流れが変わる可能性があります。
ユーザー自身が知りたいことを聞くからです。
100人いれば100通りの説明になる
ある人は価格を聞く。
ある人はサイズを聞く。
ある人は他社との違いを聞く。
ある人は納期を聞く。
ある人は自分の環境で使えるかを聞く。
企業側が「この順番で読んでください」と決めたLPではなく、ユーザーが必要な情報を自分から取りにいきます。
これはWEB広告の導線として結構大きな変化です。
じゃあLPはいらなくなる?
そこまで単純ではないと思います。
Sponsored Agentで話を聞いたあと、企業サイトへ移動する導線も用意されています。
最終的に、
- 会社は信用できるか
- 実績はあるか
- 商品を詳しく見たい
- 施工事例を見たい
- 料金表を確認したい
- 問い合わせたい
となればWEBサイトは必要です。
ただ、WEBサイトへ来る前にAIとの会話でかなり情報収集を終えている人が増える可能性はあります。
WEBサイトに求められる情報も変わるかもしれない
これは広告だけの話ではありません。
AIが商品やサービスを説明するなら、AIが参照できる情報が必要になります。
商品名だけ。
写真だけ。
「詳しくはお問い合わせください」だけ。
では説明材料が少ない。
価格。
サイズ。
対象。
対応エリア。
納期。
よくある質問。
他の商品との違い。
こういう情報をWEB上できちんと整理しておく意味は、むしろ増えていきそうです。
ShopifyとChatGPT Adsが直接つながる
EC運営者にとっては、もうひとつ大きな発表があります。
ChatGPT Ads for Shopifyです。
ShopifyストアとChatGPT Ads Managerを接続できます。
連携すると、Shopifyの商品カタログや在庫情報などを広告側へ同期できます。
Shopifyの商品をChatGPT広告へ使える
OpenAIの公式ヘルプによると、連携される主な情報は、
- 商品在庫
- 商品カタログ情報
- ストアの商品更新
- コマースイベント
です。
Shopifyの商品データを使ってChatGPT Adsの商品広告を作成できます。
OpenAI Pixelも使う
ChatGPT Ads for Shopifyでは「OpenAI Pixel for Shopify」を接続します。
これによって対象となるECイベントをAds Managerへ送り、広告成果の計測や最適化に利用します。
考え方としては、Google広告やMeta広告でコンバージョン計測を設定するのと近い部分があります。
Shopify管理画面からキャンペーンを作れる
ShopifyアプリからChatGPT広告キャンペーンを作成できます。
設定するのは、
- キャンペーン名
- 予算
- 最適化イベント
- ターゲティング
- 広告タイプ
- 広告へ使用する商品
など。
広告タイプは、全商品、単一商品、WEBサイトなどから選択できます。
プレビューを確認して、そのままキャンペーンを開始する流れです。:chatgpt-content-reference{index=”1″}
2026年9月23日から国際展開
ChatGPT Ads for Shopifyは、まず米国のShopifyマーチャント向けに提供されました。
OpenAIは2026年9月16日の発表で、9月23日からChatGPT Adsが利用できる市場へ国際展開するとしています。:chatgpt-content-reference{index=”2″}
ただし、ChatGPT Ads自体の提供地域や利用資格によって使える範囲は異なります。
「Shopifyを使っていれば日本でも必ず今日から広告を出せる」とまでは現時点で断定しない方がいいでしょう。
ChatGPTから広告運用までできる
広告を掲載する場所だけではなく、広告を作る側にもAIが入ります。
OpenAIはAds Managerプラグインを使い、ChatGPT上から自然な言葉でキャンペーンを、
- 作成
- 更新
- 分析
できる機能を提供しています。:chatgpt-content-reference{index=”3″}
WEBサイトや広告のブリーフからキャンペーンを作り、成果を分析し、次の施策について提案を受けることもできます。
「管理画面を操作する仕事」が減っていく
広告運用では地味な作業がかなりあります。
キャンペーンを作る。
広告文を入れる。
設定を変更する。
数字を見る。
レポートを作る。
改善案を考える。
これまでは広告管理画面を開いて、人間がひとつずつ操作していました。
ChatGPT Adsでは、その一部を会話から操作できる方向へ進んでいます。
広告運用者の仕事がなくなる?
「AIが広告を作って分析までやるなら、広告運用はいらないじゃん」
と思うかもしれません。
管理画面を操作するだけの仕事は減ると思います。
でも、
何を売るのか。
誰に売るのか。
利益はいくら残るのか。
どの商品を伸ばすのか。
広告の先で何を見せるのか。
そもそも商品に競争力があるのか。
ここは広告管理画面を自動操作しても決まりません。
AIで広告作成が簡単になるほど「元ネタ」が重要になる
広告文を作ること自体は簡単になります。
画像も作れる。
動画も作れる。
キャンペーンも作れる。
では、みんな同じAIを使ったら何で差がつくのか。
結局、AIへ渡す材料です。
商品の強み、顧客の悩み、実績、写真、価格、競合との違い。元になる情報が薄ければ、AIで作る広告も薄くなります。
AI広告だから広告費が安くなるわけではない
ここは分けて考えた方がいいです。
広告を作る作業がAIで短くなることと、広告枠そのものが安く買えることは別です。
広告主が増えれば競争も起きます。
ChatGPT Adsのクリック単価や獲得単価がGoogle広告より安くなるのか、高くなるのか。
業種によってどう違うのか。
これは実際の配信データが増えないと分かりません。
Google広告から全部乗り換える話でもない
ChatGPT広告が始まったからGoogle広告をやめる。
そんな判断もまだ早いです。
Google検索には、
「今すぐ近くの店へ行きたい」
「今日修理してほしい」
「この商品を買いたい」
という強い検索意図があります。
Googleマップもあります。
ショッピング広告もあります。
YouTubeもあります。
ChatGPTとはユーザーの使い方が違います。
ChatGPT広告とGoogle広告は競合しながら併用されそう
Google広告。
Meta広告。
Instagram広告。
TikTok広告。
ChatGPT広告。
媒体がひとつ増える、と考える方が今のところ自然です。
その中で、商品や顧客によって向いている媒体が分かれていくでしょう。
ChatGPT広告と相性が良さそうな商品
Sponsored Agentsの仕組みを見ると、購入前に質問が多い商品とは相性が良さそうです。
たとえば、
- 家具
- 家電
- パソコン
- 自動車
- 旅行
- 保険
- 住宅関連
- BtoBサービス
など。
もちろん、現時点ですべての業種でSponsored Agentsが利用できるという意味ではありません。
ただ、比較検討が必要な商材ほど「会話できる広告」の意味は出てきます。
逆に説明がほとんどいらない商品もある
500円の商品を買うために、AIと10分話す人は多くないでしょう。
写真を見て、価格を見て、買う。
それで十分な商品もあります。
広告だから何でも会話型にすればいいわけではありません。
中小企業は今すぐ何をすればいい?
現時点でChatGPT広告を出せない企業が、無理に何かする必要はありません。
広告アカウントを作ることより先にできることがあります。
自社の商品・サービス情報をWEB上できちんと整理しておくことです。
価格を隠しすぎない
「料金はお問い合わせください」しか書いていないサイトは多いです。
案件によって金額が変わるサービスなら仕方ありません。
それでも、
○○円〜。
一般的には○○〜○○円。
この条件なら○○円。
といった目安を出せるケースはあります。
ユーザーが比較するときに知りたい情報です。
FAQをちゃんと作る
AIとの会話では質問が次々出てきます。
納期は?
送料は?
返品できる?
この車種でも使える?
法人でも注文できる?
こういう情報がWEBサイトにまとまっていれば、人にもAIにも理解しやすい。
商品データを適当にしない
特にECでは、商品データの整備が今まで以上に効いてきそうです。
商品名。
説明。
価格。
在庫。
画像。
バリエーション。
カテゴリ。
ShopifyとChatGPT Adsが商品カタログを直接連携するなら、商品データそのものが広告素材になります。
広告用LPだけ作ればいい時代から少し変わる
これまでは広告用LPを一本作って、そこへアクセスを集める方法が定番でした。
もちろん今後も使われます。
でもAIが商品情報を理解し、ユーザーと会話し、そのあと必要なページへ送るようになるなら、WEBサイト全体の情報設計も無視できません。
商品ページ。
FAQ。
会社情報。
実績。
料金。
問い合わせ。
それぞれの情報がちゃんと存在することが、以前より効いてきます。
ChatGPT広告で一番面白いのは「広告の後」
ChatGPTに広告が表示される。
それだけなら、そこまで驚く話ではありません。
人が集まるサービスには広告が入る。
GoogleもInstagramもYouTubeもそうでした。
ChatGPT Adsで面白いのは、その先です。
広告をクリックした人が、そのまま企業のAIへ質問する。
商品について相談する。
自分に合うものを絞る。
納得したところでWEBサイトへ行く。
この流れが普通になれば、広告と接客の境目がかなり曖昧になります。
広告担当とWEB担当も分けにくくなる
広告は広告代理店。
WEBサイトは制作会社。
ECはEC担当。
接客は営業担当。
今は分かれていることが多いです。
でもAIエージェントが広告から接客までつなぐなら、全部の情報が必要になります。
広告文だけ良くてもダメ。
WEBサイトだけ良くてもダメ。
商品情報だけあってもダメ。
情報がつながっていることの方が大事になってきます。
ChatGPT広告はまだ始まったばかり
2026年9月現在、Sponsored Agentsは米国の一部広告主でテスト中です。
Shopify連携も展開が始まったばかり。
広告単価。
業種別の成果。
日本での利用範囲。
Google広告とのCPA差。
こうした部分は、まだ実績が十分に出揃っていません。
今の段階で「ChatGPT広告はGoogle広告より売れる」「これからはChatGPT広告一択」と言うのは早すぎます。
ただ、広告をクリックしてLPを読むだけだった流れに、AIとの会話が入ってきた。
ここは見ておいた方がいい。
広告媒体がひとつ増えたというより、広告と接客がくっつき始めた感じです。


