会計ソフトはfreee・マネーフォワード・弥生どれがいい?個人事業主向け料金・機能・選び方を比較【2026年版】

お金・経営

個人事業主として開業したとき、意外と迷うのが会計ソフト選びです。

freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告、やよいの青色申告 オンライン。

どれも確定申告に対応していて、銀行口座やクレジットカードとの連携もできます。

しかも、料金だけを見ると月額1,000円前後から利用できるサービスもあります。

では、一番安いものを選べばいいのでしょうか。

結論から言うと、会計ソフトは料金よりも、毎月の経理作業をどれだけ減らせるかで選んだ方がいいと思います。

確定申告は年に1回ですが、経理作業は1年間続きます。

請求書を発行する。入金を確認する。経費を登録する。領収書を保存する。銀行口座の残高を合わせる。

こうした日常業務との相性が悪ければ、年間数千円安いソフトを選んでも、かえって時間を無駄にするかもしれません。

この記事の結論

個人事業主向けの会計ソフトは、次のように選ぶのがおすすめです。

■ freee会計
簿記の知識が少なく、画面の案内に沿って経理を進めたい人。

■ マネーフォワード クラウド確定申告
会計だけでなく、請求書・経費・その他のバックオフィス業務もまとめて管理したい人。

■ やよいの青色申告 オンライン
確定申告に必要な機能を低コストで使いたい人。特に初年度の費用を抑えたい人。

ただし、すでに税理士へ依頼している場合は、税理士が対応しているソフトを優先した方が合理的な場合もあります。

今回は2026年10月11日時点の公式情報をもとに、3つの会計ソフトを比較します。

単純な料金ランキングではなく、2年間の利用料金、消費税申告、日常業務、税理士との連携、将来の乗り換えまで考えた選び方を整理しました。

なお、この記事で比較するのは個人事業主向けのプランです。法人向けの会計ソフトは料金や機能が異なるため、別に考える必要があります。

  1. 個人事業主向け会計ソフト3社を比較|まずは違いを整理
    1. 3社の特徴を比較
  2. freee・マネーフォワード・弥生の料金を比較|2年間でいくら違う?
    1. 各社の主な料金プラン
    2. 弥生は初年度無料キャンペーンが大きい
    3. 2年間利用した場合の総額
  3. freee会計のメリット・デメリット|簿記が苦手な人に向いている?
    1. freee会計のメリット
    2. freee会計のデメリット
    3. freee会計が向いている人
  4. マネーフォワードのメリット・デメリット|請求書や経費管理もまとめたい人に
    1. マネーフォワードのメリット
    2. マネーフォワードのデメリット
    3. マネーフォワードが向いている人
  5. やよいの青色申告 オンラインのメリット・デメリット|低コストで始めたい人に
    1. 弥生のメリット
    2. 弥生のデメリット
    3. 弥生が向いている人
  6. 会計ソフトは何を基準に選ぶ?重要なのは6つの比較ポイント
    1. 1. 消費税申告が必要か
    2. 2. 毎月の取引件数と領収書の枚数
    3. 3. 請求書の作成・入金管理が必要か
    4. 4. 銀行・クレジットカードとの連携
    5. 5. 税理士とデータを共有できるか
    6. 6. 将来の法人化や事業拡大
  7. 事業タイプ別におすすめの会計ソフトを選ぶ
    1. ケース1|開業したばかりのフリーランス
    2. ケース2|毎月請求書を発行する受託業の個人事業主
    3. ケース3|インボイス登録済みで消費税申告が必要
    4. ケース4|ネットショップや小売業
    5. ケース5|税理士に確定申告を任せる人
  8. 会計ソフト選びで失敗しやすい5つのポイント
    1. 失敗1|一番安いプランを契約して必要な機能が使えない
    2. 失敗2|銀行連携だけで経理が全部終わると思っている
    3. 失敗3|請求書を作れれば入金管理も自動だと思っている
    4. 失敗4|税理士との連携を考えていない
    5. 失敗5|初年度無料だけで選んでしまう
  9. 契約前に30分でできる会計ソフトの比較方法
    1. STEP1|普段の取引を5つ用意する
    2. STEP2|同じ操作を比較する
    3. STEP3|操作時間より「迷う回数」を見る
    4. STEP4|必要なプランの総額を確認する
  10. 会計ソフトを乗り換えるときの注意点|解約前に確認したいこと
    1. 会計データはすべて移行できるとは限らない
    2. 乗り換えのタイミングは事業年度の区切りが分かりやすい
    3. 解約前に確認すること
  11. 会計ソフトに関するよくある質問
    1. Q. 個人事業主は会計ソフトを必ず契約しないといけない?
    2. Q. 青色申告ならfreee・マネーフォワード・弥生のどれでもいい?
    3. Q. 確定申告の時期だけ契約すれば安く済む?
    4. Q. インボイス登録しているなら上位プランが必要?
    5. Q. 法人化しても同じ会計ソフトを使える?
  12. まとめ|会計ソフトは安さだけでなく毎月の経理時間で選ぶ
    1. 参考:各社公式情報

個人事業主向け会計ソフト3社を比較|まずは違いを整理

今回比較するのは、次の3サービスです。

  • freee会計
  • マネーフォワード クラウド確定申告
  • やよいの青色申告 オンライン

いずれもクラウド型の会計ソフトです。

パソコンへ専用ソフトをインストールしなくても、対応するブラウザから利用できます。

ただし、同じクラウド会計ソフトでも、重視している部分には違いがあります。

3社の特徴を比較

比較項目 freee会計 マネーフォワード 弥生オンライン
主な特徴 簿記に詳しくない人にも配慮した入力方式 会計・請求など複数業務との連携 確定申告に必要な機能と費用のバランス
青色申告 対応 対応 対応
白色申告 対応 対応 対応
銀行・カード連携 対応 対応 対応
消費税申告 スタンダード以上 パーソナル以上 全プラン対応
請求書関連機能 あり あり 関連サービスとの連携あり
電子申告 対応 対応 対応
無料で試す方法 お試しプラン 無料トライアル 初年度無料キャンペーンなど
選ぶ際の注目点 入力画面と操作方法 周辺業務との連携 更新費用とサポート

※2026年10月11日時点の公式公開情報をもとに作成。各機能の利用範囲はプランや契約条件によって異なります。

この比較で特に注目したいのが、消費税申告です。

所得税の確定申告には対応していても、消費税申告機能は上位プランでしか利用できないサービスがあります。

インボイス登録をしている個人事業主など、消費税申告が必要な人は、この違いを見落とさないようにしましょう。

freee・マネーフォワード・弥生の料金を比較|2年間でいくら違う?

会計ソフトを比較するとき、最初に気になるのは料金だと思います。

ただし、月額料金の表示には注意が必要です。

「月額980円」と表示されていても、実際には年額を一括払いするプランという場合があります。

また、初年度無料のキャンペーンがあっても、2年目以降は通常料金になります。

そこで今回は、1年間の料金だけでなく、2年間利用した場合の総額も比較します。

各社の主な料金プラン

サービス プラン 年払い料金 月払い料金
freee会計 スターター 11,760円/年 1,780円/月
freee会計 スタンダード 23,760円/年 2,980円/月
マネーフォワード パーソナルミニ 10,800円/年 1,280円/月
マネーフォワード パーソナル 15,360円/年 1,680円/月
弥生オンライン セルフ 11,800円/年 年払い
弥生オンライン ベーシック 22,800円/年 年払い

※すべて税抜価格です。

※freee会計とマネーフォワードは通常の年払い料金です。弥生は初年度無料キャンペーン終了後の料金を掲載しています。

※上位プラン、オプション料金、従量課金などは別途発生する場合があります。

freee会計とマネーフォワードは、年払いにすると月払いより安くなります。

ただし、年払いの「月額換算」は毎月その金額が請求されるという意味ではありません。

契約前に支払総額を確認しましょう。

弥生は初年度無料キャンペーンが大きい

2026年10月11日時点で、やよいの青色申告 オンラインでは初年度無料キャンペーンが実施されています。

対象はセルフプランとベーシックプランです。

どちらも条件を満たせば初年度0円で利用できます。

さらに、弥生の特徴はセルフ・ベーシック・トータルの3プランで利用できる会計ソフトの機能が同じという点です。

プランによる主な違いはサポート内容です。

セルフプランでも、青色申告や消費税申告などの機能を利用できます。

ただし、初年度無料キャンペーンには適用条件があります。

  • 対象となる新規申し込みであること
  • 自動更新用の決済方法を登録すること
  • 過去のキャンペーン利用状況などの条件を満たすこと

また、公式案内では2027年3月15日までの申し込み分が対象とされていますが、キャンペーンは変更・終了する場合があります。

初年度無料だからといって、無条件で誰でも利用できるわけではありません。

2年間利用した場合の総額

ここで、2年間利用した場合の料金を計算してみます。

比較条件は次のとおりです。

  • freee会計とマネーフォワードは通常の年払い料金
  • 弥生は初年度無料キャンペーンの適用を想定
  • 2年目の料金は2026年10月11日時点の公表料金を使用
  • オプション料金・従量課金・将来の価格改定は含めない
サービス・プラン 1年目 2年目 2年間合計
弥生 セルフ 0円 11,800円 11,800円
マネーフォワード パーソナルミニ 10,800円 10,800円 21,600円
弥生 ベーシック 0円 22,800円 22,800円
freee スターター 11,760円 11,760円 23,520円
マネーフォワード パーソナル 15,360円 15,360円 30,720円
freee スタンダード 23,760円 23,760円 47,520円

※すべて税抜。将来の料金を保証するものではありません。

※プランごとに利用できる機能やサポートが異なるため、単純な価格順位ではありません。

この条件では、弥生のセルフプランが最も低コストです。

ただし、ここで「弥生が一番おすすめ」と決めるのは早いと思います。

たとえば、毎月の請求書作成や入金管理、経費処理までまとめて効率化したい場合は、他社の機能が役立つかもしれません。

反対に、年に1回の確定申告と日常の記帳ができれば十分という人なら、上位プランにお金を払う必要はないでしょう。

料金比較で重要な考え方

年間5,000円の料金差は、月額にすると約417円です。

仮に高い方のソフトで毎月30分の作業を削減できるなら、年間6時間の節約になります。

5,000円 ÷ 6時間 = 約833円/時間。

つまり、自分の作業時間にそれ以上の価値があるなら、料金が高いソフトを選ぶ方が合理的な場合もあります。

会計ソフトは利用料金だけでなく、削減できる作業時間も含めて比較したいところです。

freee会計のメリット・デメリット|簿記が苦手な人に向いている?

freee会計の特徴は、簿記の知識が少ない人でも経理を進めやすいように設計されていることです。

一般的な会計ソフトでは、借方・貸方や勘定科目など、簿記の考え方を意識する場面があります。

一方、freee会計では、入金・支出などの取引を登録する流れを中心に操作できます。

もちろん、会計の知識がまったく不要になるわけではありません。

ただ、最初から複式簿記の仕組みを理解していなくても、操作を始めやすい設計になっています。

freee会計のメリット

大きなメリットは、取引の登録方法です。

銀行口座やクレジットカードを連携すれば、取得した明細をもとに取引を登録できます。

また、請求書作成や入金管理など、日常業務に関係する機能も用意されています。

確定申告のときだけ使うのではなく、日々の経理をまとめて管理したい人に向いています。

freee会計のデメリット

注意したいのが、プランによる機能制限です。

2026年10月時点では、スタータープランでも所得税の確定申告書や青色申告決算書を作成できます。

しかし、消費税申告機能を利用するにはスタンダード以上が必要です。

また、スタータープランではファイルボックスへの帳票アップロードが月5枚までとなっています。

領収書や請求書の画像を大量に取り込む人は、上位プランを検討する必要があります。

もう一つ考えたいのが、操作方法との相性です。

freee独自の入力方式が分かりやすい人もいれば、従来の会計帳簿に近い操作の方が理解しやすい人もいます。

これは優劣ではなく、使う人の考え方による違いです。

freee会計が向いている人

  • 簿記の知識が少ない人
  • 経理をできるだけ簡単な操作で進めたい人
  • 銀行やカードの明細を活用したい人
  • 請求書や入金管理も一緒に考えたい人

反対に、従来の会計帳簿の考え方に慣れている人は、無料お試しで操作感を確認してから選んだ方がいいでしょう。

マネーフォワードのメリット・デメリット|請求書や経費管理もまとめたい人に

マネーフォワード クラウド確定申告は、個人事業主向けのクラウド会計サービスです。

特徴は、会計だけでなく、請求書や電子契約などの関連サービスも展開していることです。

会計ソフトを単独で考えるのではなく、事業全体のバックオフィス業務を整理したい人に向いています。

マネーフォワードのメリット

銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、帳簿作成に活用できます。

また、請求書作成などの関連機能も利用できます。

たとえば、毎月複数の取引先へ請求書を発行している個人事業主なら、会計と請求業務を別々に管理するより効率化できる可能性があります。

もちろん、すべての関連サービスが追加料金なしで無制限に使えるわけではありません。

プランごとの利用範囲や従量課金を確認する必要があります。

マネーフォワードのデメリット

最も注意したいのが、パーソナルミニの機能制限です。

パーソナルミニは年額10,800円(税抜)で利用できます。

ただし、消費税申告機能には対応していません。

消費税申告まで行う場合は、パーソナル以上を選ぶ必要があります。

また、レシート撮影の無料枠にも違いがあります。

プラン レシート撮影の無料枠
パーソナルミニ 月15件
パーソナル 月30件
パーソナルプラス 月100件

パーソナルミニは無料枠を超える場合、プランのアップグレードが必要です。

パーソナル以上では、無料枠を超えた分に追加料金が発生する場合があります。

毎月の領収書が多い人は、基本料金だけで判断しない方がいいでしょう。

マネーフォワードが向いている人

  • 請求書を頻繁に発行する個人事業主
  • 銀行・カード明細を活用したい人
  • 経営状況を数字で確認したい人
  • 関連する業務ツールをまとめたい人
  • 会計ソフトの操作をある程度理解している人

特に、消費税申告が必要で、請求書や経営レポートも活用したい人なら、パーソナルプランが比較候補になります。

やよいの青色申告 オンラインのメリット・デメリット|低コストで始めたい人に

やよいの青色申告 オンラインは、弥生株式会社が提供するクラウド型の確定申告ソフトです。

個人事業主の記帳や確定申告に必要な機能を備えています。

今回比較した3サービスの中では、初年度無料キャンペーンの存在が大きな特徴です。

弥生のメリット

まず、初年度の費用を抑えられることです。

2026年10月時点では、対象条件を満たせばセルフプランとベーシックプランを初年度0円で利用できます。

さらに、3つのプランで利用できる会計機能は共通です。

たとえば、セルフプランでも次の機能が利用できます。

  • 青色申告・白色申告
  • 消費税申告
  • e-Taxによる電子申告
  • 銀行・金融機関連携
  • 自動仕訳
  • 経営状況の確認
  • 請求書関連サービスとの連携

つまり、消費税申告をするためだけに上位プランへ変更する必要がないということです。

これは、消費税申告が必要な個人事業主にとって大きな判断材料になります。

弥生のデメリット

注意したいのは、サポート内容です。

セルフプランでは、基本的にWebFAQなどを利用して自分で操作を調べます。

電話・メール・チャットによる操作サポートを利用したい場合は、ベーシック以上を検討します。

また、仕訳や経理業務、確定申告に関する相談まで必要なら、トータルプランが候補になります。

ただし、サポートの対象範囲や利用条件は確認が必要です。

ベーシックプランの電話サポートには、契約期間中10回という上限もあります。

初年度無料だからといって、すべてのサポートが無制限に使えるわけではありません。

弥生が向いている人

  • 初年度の費用を抑えたい人
  • 青色申告を始めたい人
  • 会計ソフトに高額な費用をかけたくない人
  • 消費税申告まで低コストで対応したい人
  • 必要に応じてサポートを追加したい人

一方、会計以外の業務を一つのサービス群で幅広く管理したい場合は、freeeやマネーフォワードの関連サービスも比較してみるといいでしょう。

会計ソフトは何を基準に選ぶ?重要なのは6つの比較ポイント

ここまで3社の特徴を紹介しました。

では、実際に契約するときは何を基準に判断すればいいのでしょうか。

DIBLOGでは、会計ソフトを選ぶ際に次の6項目を確認することをおすすめします。

1. 消費税申告が必要か

最初に確認したいのが、消費税申告の必要性です。

所得税の確定申告と、消費税の申告は別の手続きです。

青色申告に対応している会計ソフトでも、消費税申告機能が含まれているとは限りません。

2026年10月時点では、次のような違いがあります。

サービス 消費税申告に必要なプラン 年払い料金
freee会計 スタンダード以上 23,760円〜
マネーフォワード パーソナル以上 15,360円〜
弥生オンライン セルフから対応 通常11,800円〜

※税抜。弥生の初年度無料キャンペーンは別途適用条件があります。

この比較では、消費税申告機能を利用するための基本料金は弥生が低くなっています。

ただし、請求書管理や経営分析、サポートなどの機能は同じではありません。

なお、インボイス登録の有無だけで消費税の申告義務をすべて判断できるわけではありません。自分が課税事業者に該当するか、どの申告方法を利用するかは、必要に応じて税理士や税務署へ確認してください。

2. 毎月の取引件数と領収書の枚数

会計ソフトを選ぶとき、売上金額だけで考える必要はありません。

たとえば、同じ年商1,000万円でも、次の2つの事業では経理の手間が違います。

A:法人取引が中心の個人事業主

  • 月の請求書は5件
  • 経費の支払いは月20件
  • 銀行振込による入金が中心

B:小売・ネットショップ中心の個人事業主

  • 月の注文は300件
  • 決済サービスからまとめて入金
  • 販売手数料や送料の処理が必要

※いずれも比較のための架空例です。

同じ売上でも、Bの方が取引データの整理に手間がかかる可能性があります。

そのため、会計ソフトを選ぶときは年商だけでなく、取引件数やデータ連携の方法を確認した方がいいでしょう。

3. 請求書の作成・入金管理が必要か

個人事業主の中には、請求書を毎月発行する人もいれば、ほとんど発行しない人もいます。

たとえば、WEB制作、デザイン、コンサルティング、建設関連などの受託業務では、請求書と入金管理が重要になります。

この場合、単に請求書を作れるだけでは不十分です。

確認したいのは、次のような部分です。

  • 請求書の発行履歴を管理できるか
  • 入金済み・未入金を確認できるか
  • 請求データを会計へ反映できるか
  • 定期請求に対応しているか
  • インボイス制度に対応した請求書を作れるか

ただし、会計ソフトのプランによっては、一部機能が利用できなかったり、関連サービスの契約が必要だったりします。

契約前に、実際に利用したい請求業務まで対応できるか確認しましょう。

4. 銀行・クレジットカードとの連携

クラウド会計ソフトの大きなメリットが、銀行口座やクレジットカードとの連携です。

明細を自動取得できれば、毎回金額や日付を手入力する必要が減ります。

ただし、すべての金融機関やカードが同じ条件で連携できるわけではありません。

また、連携できたとしても、取得した明細が必ず正しい勘定科目へ分類されるとは限りません。

自動処理は便利ですが、確認作業まで不要になるわけではないということです。

特に、事業用と私用の支払いが混在している場合は、取引の分類に注意が必要です。

5. 税理士とデータを共有できるか

すでに税理士へ確定申告を依頼している人は、ここを最初に確認してもいいと思います。

税理士によって、普段利用している会計ソフトが異なります。

自分が使いたいソフトと、税理士が対応しているソフトが違う場合、データの受け渡しに手間がかかる可能性があります。

もちろん、異なる会計ソフトでもCSVなどでデータを受け渡せる場合はあります。

ただし、すべての情報を完全に移行できるとは限りません。

税理士へ依頼する予定があるなら、契約前に対応ソフトを確認する。

これはかなり重要です。

6. 将来の法人化や事業拡大

今は個人事業主でも、将来法人化する可能性があります。

法人になると、会計ソフトの料金体系や必要な機能が変わります。

個人事業主向けの契約を、そのまま法人の会計へ利用できるとは限りません。

また、従業員が増えれば、給与計算や経費精算、権限管理などが必要になるかもしれません。

ただし、将来使うか分からない機能のために、今から高額なプランを契約する必要もありません。

現時点で必要な機能を満たし、事業が成長したときに変更できるか。

その程度の確認で十分な場合もあります。

事業タイプ別におすすめの会計ソフトを選ぶ

ここからは、具体的な事業タイプ別に考えてみます。

なお、以下は機能や料金から考えた選び方であり、特定の事業者での利用実績を示すものではありません。

ケース1|開業したばかりのフリーランス

開業したばかりで、まだ売上も取引件数も少ない。

請求書は月に数件程度で、まずは青色申告をできるようにしたい。

このような場合は、弥生のセルフプランが有力です。

初年度無料キャンペーンの対象になれば、導入費用を抑えられます。

ただし、簿記が苦手で入力方法に不安があるなら、freee会計も試してみる価値があります。

おすすめ候補:弥生セルフ/freeeスターター

ケース2|毎月請求書を発行する受託業の個人事業主

WEB制作、デザイン、ライティング、コンサルティングなど、取引先へ請求書を発行する仕事です。

この場合、確定申告だけでなく、請求書作成や入金管理との連携が重要になります。

マネーフォワードのパーソナルプランやfreee会計のスタンダードプランなどを比較するといいでしょう。

ただし、請求書を作成するだけなら、必ずしも上位プランが必要とは限りません。

どこまでの請求業務を自動化したいかで判断します。

おすすめ候補:マネーフォワード パーソナル/freeeスタンダード

ケース3|インボイス登録済みで消費税申告が必要

消費税申告が必要なら、対応プランを最初に確認します。

料金を抑えたい場合は、弥生のセルフプランが候補になります。

一方、請求書や経営レポートなども活用したいなら、マネーフォワードのパーソナルプランも比較したいところです。

freee会計を選ぶ場合は、スタンダード以上を検討します。

おすすめ候補:弥生セルフ/マネーフォワード パーソナル

ケース4|ネットショップや小売業

ネットショップの場合、単純な銀行入出金だけでは処理しきれないことがあります。

売上金額と実際の入金額が一致しないケースがあるからです。

たとえば、架空のネットショップで次のような取引があったとします。

項目 金額
商品売上 100,000円
決済手数料 4,000円
実際の入金額 96,000円

※金額は説明用の架空例です。税区分などの詳細は省略しています。

この場合、銀行口座に96,000円入金されたからといって、それだけを売上として処理すればいいわけではありません。

売上と決済手数料を適切に区別する必要があります。

ネットショップで会計ソフトを選ぶなら、利用しているECサービスや決済サービスから、どのようなデータを取り込めるか確認しましょう。

3社とも比較対象になりますが、利用するECサービスとの連携状況によっておすすめは変わります。

おすすめ:利用中のEC・決済サービスとの連携を確認してから選ぶ

ケース5|税理士に確定申告を任せる人

税理士へ申告を任せる場合、会計ソフトの選び方は少し変わります。

自分で申告書を作るための機能より、日々の記帳や資料共有が重要になるからです。

また、税理士側が利用している会計ソフトによって、作業の進め方が違います。

この場合は、税理士に次のように確認するのが早いと思います。

税理士へ確認したいこと

「自分で日々の記帳を行いたいのですが、どの会計ソフトならデータを共有しやすいでしょうか?」

「会計ソフトはこちらで契約する必要がありますか?」

「記帳はどこまで自分で行い、どこからお願いする形になりますか?」

税理士へ依頼する場合は、会計ソフト代だけでなく、記帳代行や申告業務の費用も含めて考えた方がいいでしょう。

会計ソフト選びで失敗しやすい5つのポイント

会計ソフトは一度導入すると、日々の取引データが蓄積されていきます。

そのため、使い始めてから変更するのは意外と面倒です。

契約前に、よくある失敗を確認しておきましょう。

失敗1|一番安いプランを契約して必要な機能が使えない

たとえば、消費税申告が必要なのに、対応していない最安プランを契約してしまうケースです。

結果として上位プランへの変更が必要になります。

会計ソフトは、最安プランから選ぶのではなく、必要な機能を満たすプランの中で比較した方がいいでしょう。

失敗2|銀行連携だけで経理が全部終わると思っている

銀行口座やクレジットカードの自動連携は便利です。

ただし、連携しただけですべての経理が完成するわけではありません。

たとえば、事業用のクレジットカードで購入した経費が、後日銀行口座から引き落とされる場合。

カード利用明細と銀行引落明細を、それぞれ別の経費として登録すると、二重計上につながる可能性があります。

こうした処理は、会計ソフトの仕組みを理解して確認する必要があります。

自動化できることと、確認しなくていいことは別です。

失敗3|請求書を作れれば入金管理も自動だと思っている

請求書作成機能があっても、入金確認や売掛金の消込まで自動で完了するとは限りません。

また、プランによって利用できる機能が異なります。

請求書の発行が多い事業なら、実際に請求書を作成し、入金を登録するところまで試してみることをおすすめします。

失敗4|税理士との連携を考えていない

自分では使いやすいと思って契約したものの、税理士がそのソフトに対応していない。

こうなると、データをCSVで出力したり、別のソフトへ取り込んだりする手間が増える可能性があります。

すでに税理士がいるなら、導入前に確認しておきましょう。

失敗5|初年度無料だけで選んでしまう

初年度無料は魅力的です。

ただし、2年目以降の更新料金を確認せずに契約するのはおすすめしません。

特に、会計ソフトは毎年使い続ける可能性が高いサービスです。

初年度だけでなく、2年、3年と利用した場合の費用を考えましょう。

また、無料期間が終了した後の契約更新方法や解約条件も確認しておく必要があります。

契約前に30分でできる会計ソフトの比較方法

ここまで読んでも、まだ迷う人はいると思います。

それも当然です。

料金や機能の一覧だけでは、実際の使いやすさまでは分かりません。

そこでおすすめしたいのが、自分の事業で発生する取引を使って、無料体験で比較する方法です。

実際の契約前に、30分程度で確認してみましょう。

STEP1|普段の取引を5つ用意する

たとえば、次のような取引です。

  1. 取引先へ請求書を発行する
  2. 銀行口座へ売上が入金される
  3. クレジットカードで経費を支払う
  4. 事業用と私用が混在する支払いを登録する
  5. 領収書の画像を保存する

実際の取引を使用する場合は、無料体験環境でのデータの扱いや保存方法を確認してください。

最初は架空の取引データで試しても構いません。

STEP2|同じ操作を比較する

できれば、候補となる2つのソフトで同じ作業を試します。

確認するのは、単純な操作回数だけではありません。

次のような点です。

比較項目 確認すること
取引登録 迷わず入力できるか
勘定科目 適切な科目を確認・修正できるか
請求書 必要な書類を作れるか
入金管理 未入金を把握できるか
領収書保存 保存方法と件数制限が合うか
帳簿確認 登録した取引を後から確認しやすいか

STEP3|操作時間より「迷う回数」を見る

個人的には、最初の比較では操作時間よりも、迷う回数を重視した方がいいと思います。

たとえば、同じ取引を登録するのに、

Aのソフトでは3分。

Bのソフトでは5分。

ただし、Aでは入力項目の意味が分からず、毎回ヘルプを確認する必要がある。

一方、Bは少し時間がかかっても、何を登録しているのか理解できる。

この場合、必ずしもAの方が優れているとは言えません。

慣れれば操作時間は短くなる可能性がありますが、会計処理の意味が分からないまま進めるのは危険です。

自分が何を登録しているのか理解できるソフトを選ぶ。

これも大切な判断基準です。

STEP4|必要なプランの総額を確認する

操作感が良かったソフトについて、最後に料金を確認します。

ここでは最安プランではなく、実際に必要な機能を満たすプランで計算してください。

消費税申告、領収書保存、請求書管理、税理士との連携などを確認します。

年間数千円の差なら、使いやすい方を選ぶ判断も十分に合理的です。

会計ソフトを乗り換えるときの注意点|解約前に確認したいこと

すでに別の会計ソフトを利用している人もいると思います。

料金が高い、使いにくい、必要な機能がない。

こうした理由で乗り換えること自体は問題ありません。

ただし、会計ソフトは単純なサブスクサービスとは少し違います。

過去の帳簿や取引データが蓄積されているからです。

会計データはすべて移行できるとは限らない

多くの会計ソフトでは、CSVなどによるデータの出力・取込に対応しています。

しかし、異なるサービス間で、すべてのデータを完全に移行できるとは限りません。

たとえば、次のような情報は個別の確認が必要です。

  • 仕訳データ
  • 勘定科目の設定
  • 取引先情報
  • 固定資産台帳
  • 請求書データ
  • 領収書などの添付ファイル
  • 銀行口座の連携設定

また、勘定科目の名称や税区分が異なる場合、移行後に調整が必要になることもあります。

乗り換えのタイミングは事業年度の区切りが分かりやすい

会計ソフトを変更するなら、事業年度の切り替わりに合わせる方法があります。

個人事業主の場合、原則として1月1日から12月31日が所得税の計算期間です。

そのため、新しい年から会計ソフトを変更すれば、年度途中でデータが分かれることを避けやすくなります。

ただし、必ず年初でなければ変更できないわけではありません。

事業の状況や税理士との相談によって、適切なタイミングを判断しましょう。

解約前に確認すること

会計ソフトを解約する前のチェックリスト

  • 必要な帳簿を出力したか
  • 過去の申告書類を保存したか
  • 領収書や請求書などのデータを確認したか
  • 固定資産などの情報を控えたか
  • 新しいソフトで期首残高を確認したか
  • 税理士とデータの引き継ぎ方法を確認したか
  • 解約後にデータを閲覧できるか確認したか

特に注意したいのが、解約後のデータ閲覧です。

たとえば、弥生の公式案内では、解約後はデータの参照を含めてサービスを利用できなくなると説明されています。

再契約しても、以前のデータをそのまま引き継げない場合があります。

会計ソフトを変更する場合は、必要なデータを保存してから解約することが重要です。

会計ソフトに関するよくある質問

Q. 個人事業主は会計ソフトを必ず契約しないといけない?

いいえ。特定の会計ソフトを契約する義務があるわけではありません。

必要な帳簿を適切に作成・保存できるなら、会計ソフト以外の方法で記帳することも可能です。

ただし、取引件数が増えるほど、手作業による入力や確認は負担になりやすくなります。

銀行連携や帳簿作成を効率化したいなら、会計ソフトの導入を検討する価値があります。

Q. 青色申告ならfreee・マネーフォワード・弥生のどれでもいい?

3サービスとも青色申告に対応しています。

ただし、青色申告特別控除の適用には、記帳方法や申告方法などの要件があります。

会計ソフトを契約するだけで、自動的に最大の控除を受けられるわけではありません。

必要な帳簿や申告方法については、国税庁の案内などを確認してください。

Q. 確定申告の時期だけ契約すれば安く済む?

月払いが可能なプランなら、短期間の契約を検討することはできます。

ただし、確定申告の時期だけ会計ソフトを使う方法には注意点があります。

1年分の取引をまとめて登録する必要があり、記帳ミスや確認作業が増える可能性があるからです。

また、契約していない期間のデータ閲覧や編集に制限があるサービスもあります。

年間の料金を節約できても、作業時間が大幅に増えるなら得とは限りません。

Q. インボイス登録しているなら上位プランが必要?

サービスによって異なります。

2026年10月時点では、freee会計で消費税申告機能を利用するにはスタンダード以上、マネーフォワードではパーソナル以上が必要です。

一方、やよいの青色申告 オンラインはセルフプランから消費税申告機能を利用できます。

ただし、インボイス対応の請求書を発行できることと、消費税申告書を作成できることは別です。

必要な機能を分けて確認しましょう。

Q. 法人化しても同じ会計ソフトを使える?

同じサービス事業者の法人向け製品を利用できる場合があります。

ただし、個人事業主向けと法人向けではプランや料金が異なります。

また、過去のデータをそのまま引き継げるとは限りません。

法人化を予定している場合は、契約前に法人向けプランや移行方法を確認しておくといいでしょう。

まとめ|会計ソフトは安さだけでなく毎月の経理時間で選ぶ

freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告、やよいの青色申告 オンライン。

今回比較した3サービスは、どれも個人事業主の確定申告に対応しています。

ただし、料金や機能、操作方法には違いがあります。

最後に、選び方を整理します。

重視すること おすすめ候補
簿記に詳しくなく、操作の分かりやすさを重視 freee会計
請求書・経費など周辺業務との連携 マネーフォワード
初年度の費用を抑えたい 弥生オンライン
消費税申告を低コストで行いたい 弥生オンライン
税理士へ申告を依頼している 税理士の対応ソフトを優先
ネットショップなど取引件数が多い EC・決済サービスとの連携で判断

費用を最優先するなら、初年度無料キャンペーンのある弥生は魅力的です。

一方、毎月の経理作業を効率化したいなら、freee会計やマネーフォワードも十分に比較する価値があります。

ただし、どのソフトが一番使いやすいかは、実際に操作してみないと分からない部分もあります。

個人的には、会計ソフト選びで最も避けたいのは、安さだけで選んで、毎月の経理作業が面倒になることです。

たとえば、年間5,000円安いソフトを選んでも、毎月1時間余分に作業が必要なら、年間12時間を失うことになります。

その時間を本業に使えた方が、結果的に得になるかもしれません。

もちろん、反対のケースもあります。

必要な機能が少ないのに、使わない機能のために高額なプランを契約する必要はありません。

会計ソフトは、機能が多いものが正解でも、料金が安いものが正解でもありません。

自分の事業に必要な機能を満たしていて、毎月無理なく使い続けられること。

これが一番重要だと思います。

迷っているなら、まずは2つのサービスを無料で試し、実際の取引を登録してみてください。

そのうえで、年間料金と作業時間を比較する。

この順番なら、後悔しにくい会計ソフト選びができるはずです。

最後にもう一度、目的別の候補

操作の分かりやすさを重視
freee会計の公式サイトを見る →

請求・経費などもまとめて管理
マネーフォワードの公式サイトを見る →

まずは低コストで確定申告を始めたい
弥生の公式サイトを見る →

参考:各社公式情報

本記事の料金・機能・キャンペーンは2026年10月11日時点で確認できる公式公開情報をもとにしています。

料金やキャンペーン、プラン別の機能は変更される場合があります。実際の契約時には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

また、本記事は会計ソフトの比較・選定を目的としたものであり、個別の税務判断を行うものではありません。申告義務や税額計算などについては、必要に応じて税理士や税務署へご確認ください。

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