Shopifyの管理画面を見ていて、
「アクセス数が急に変わった」
「コンバージョン率が上がった」
「昨日からセッション数がおかしい」
と感じていませんか?
2026年9月21日以降であれば、ストアの集客状況そのものが急変したとは限りません。
Shopifyは2026年9月21日から、Analyticsのセッション計測方法を変更しています。
今回の変更によって、
- セッション数
- コンバージョン率
- カート追加率
- チェックアウト到達率
- チェックアウトコンバージョン率
- 直帰率
- ページビュー/セッション
- オンラインストア訪問者数
などが、以前と違って見える可能性があります。
ただし、注文数や売上そのものが変更されたわけではありません。
今回は、Shopifyが何を変更したのか、アクセス解析を見るときに何へ注意すればいいのかを整理します。
- Shopify Analyticsで何が変わった?
- なぜボットを除外する必要がある?
- 9月21日からアクセス数が減ったように見える可能性がある
- 逆にコンバージョン率が上がることもある
- 「CVRが改善した!」と判断するのも早い
- 影響する指標はかなり多い
- 影響しない指標もある
- まず「売上」と「注文数」を見る
- 9月20日と9月21日を単純比較しない
- 月次レポートにも注意
- 2026年10月以降は比較しやすくなる
- 前年比較はどうする?
- GA4とShopifyの数字が違うのは異常?
- 数字が違う=どちらかが間違いではない
- 大事なのは「同じ物差し」で比較すること
- ECで本当に見たいのはアクセス数だけではない
- アクセスが減って売上が増えることもある
- 広告運用しているストアは特に注意
- 制作会社・運用会社はレポートに注記した方がいい
- 計測変更があったときに確認する5つのこと
- 数字が急変したら、まず仕様変更を疑う
- ShopifyはAnalytics自体も進化している
- 9月23日には送料・関税データも改善
- アクセス解析は「数字を読む」だけでは足りない
- AI時代はボットアクセスも無視できない
- 9月21日以降に数字が変わった人がやること
- まとめ|9月21日前後の数字はそのまま比較しない
- 参考:Shopify公式情報
Shopify Analyticsで何が変わった?
Shopifyは2026年9月21日、Analyticsにおけるセッション計測を改善したと発表しました。
大きなポイントは、実際の買い物客によるアクセスをより正確に把握するための変更です。
Shopify公式によると、今回の変更では、
- 人間の訪問者を中心にセッションを表示
- ボットやシステムトラフィックの分類を改善
- 通常のページビューが発生しない有効な買い物行動も適切に計測
するようになっています。
なぜボットを除外する必要がある?
WEBサイトへアクセスしているのは、人間だけではありません。
検索エンジンのクローラー。
各種サービスの確認プログラム。
自動取得ツール。
不正アクセスを行うボット。
さまざまな自動アクセスがあります。
こうしたアクセスが人間のセッションとして集計されれば、実際の買い物客よりアクセス数が多く見えてしまいます。
アクセス数が多くても、その中に商品を買う可能性のないボットが大量に含まれていれば、ECの分析にはあまり役立ちません。
9月21日からアクセス数が減ったように見える可能性がある
今回の変更によって、これまでセッションとして計測されていた一部のボットやシステムアクセスが除外されれば、セッション数が減る場合があります。
たとえば、変更前に1日1,000セッションあったストアが、変更後に900セッションになったとします。
これだけを見ると、
「アクセスが10%落ちた」
と思ってしまいます。
でも実際には、100セッション分が人間ではないアクセスとして適切に分類されただけかもしれません。
9月21日前後でセッション数が変わっても、すぐに「集客が落ちた」と判断しない方がいいです。
逆にコンバージョン率が上がることもある
セッション数が減ると、コンバージョン率はどうなるでしょうか。
たとえば、
注文数:20件
セッション数:1,000
なら、単純計算でCVRは2%です。
ところがボットなどを除外して実際のセッションが800になれば、
20 ÷ 800 × 100 = 2.5%
になります。
注文数は1件も増えていません。
それでもCVRは2%から2.5%へ上がります。
「CVRが改善した!」と判断するのも早い
これは今回の変更で特に注意したいところです。
Shopify Analyticsを見て、
「9月21日からコンバージョン率が上がった」
となっても、商品ページや広告の成果が改善したとは限りません。
分母になるセッションの計測方法が変わった可能性があります。
数字が良くなった・悪くなったのではなく、「数字の数え方が変わった」という可能性を最初に考えます。
影響する指標はかなり多い
Shopifyが今回の変更で影響する可能性があると案内している主な指標は次のとおりです。
- Sessions(セッション)
- Conversion rate(コンバージョン率)
- Add-to-cart rate(カート追加率)
- Reached checkout rate(チェックアウト到達率)
- Checkout conversion rate(チェックアウトコンバージョン率)
- Bounce rate(直帰率)
- Pageviews per session(セッションあたりページビュー)
- Online store visitors(オンラインストア訪問者)
- Searches(検索)
つまり、Shopify Analyticsで日常的に見る指標のかなりの部分が影響を受ける可能性があります。
影響しない指標もある
一方、Shopifyは今回のセッション計測変更によって、
- Orders(注文)
- Sales(売上)
- Customer counts(顧客数)
は変更されないと説明しています。
ここは重要です。
アクセス数が急に変わったとしても、注文数や売上まで同時に落ちていなければ、計測変更の影響を疑えます。
まず「売上」と「注文数」を見る
たとえば、
セッション数が前週比20%減。
でも売上はほぼ同じ。
注文数もほぼ同じ。
という状態なら、
「急にお客さんが20%減った」
と判断する必要はありません。
逆に、
セッションも減った。
注文数も減った。
売上も減った。
という場合は、実際の集客や販売状況も確認する必要があります。
9月20日と9月21日を単純比較しない
Shopify自身も、2026年9月21日の前後でレポートを比較する場合、今回の変更を新しいセッションベースラインとして扱うよう案内しています。
つまり、
9月20日:旧計測
9月21日:新計測
という境目ができます。
計測方法が違う数字を、そのまま前年比・前月比・前週比で比較すると判断を間違える可能性があります。
月次レポートにも注意
特に2026年9月の月次レポートは注意が必要です。
9月1日〜20日は変更前。
9月21日〜30日は変更後。
同じ月の中に異なるセッション計測が混在します。
そのため、
「8月より9月のCVRが上がった」
「前年9月よりアクセスが減った」
という比較にも、計測変更が含まれている可能性があります。
2026年10月以降は比較しやすくなる
10月1日以降は、月全体が新しい計測方法になります。
そのため、新方式での傾向を見るなら、2026年10月以降のデータを基準にした方が分かりやすくなります。
もちろん季節性やキャンペーンなど別の要因はありますが、少なくとも9月のように月途中で計測方法が切り替わる問題はなくなります。
前年比較はどうする?
ここは少し難しくなります。
2027年9月になれば、新方式同士で前年同月比較できます。
しかし2026年9月〜2027年8月までは、前年の数字が旧方式で計測されている期間があります。
そのためセッション数やCVRの前年比を見る場合は、計測方法の違いを注記しておいた方がいいでしょう。
GA4とShopifyの数字が違うのは異常?
ShopifyへGoogle Analytics 4(GA4)を設定しているストアでは、
「Shopifyのアクセス数とGA4のセッション数が合わない」
という疑問も出てきます。
でも、完全一致しないこと自体は珍しくありません。
ShopifyとGA4は別々のシステムであり、セッションの定義や計測方法、ボット判定、Cookieや同意設定なども異なります。
数字が違う=どちらかが間違いではない
アクセス解析では、
Shopify:950セッション
GA4:820セッション
のような差が出ることがあります。
そこで、
「どっちが正しい?」
と考えたくなります。
でも目的が違います。
Shopify AnalyticsはEC運営と注文・販売データを中心に見る。
GA4は流入経路やユーザー行動などWEBサイト全体を分析する。
というように、それぞれの役割で見る方が実用的です。
大事なのは「同じ物差し」で比較すること
アクセス解析で一番避けたいのは、数字の絶対値だけを追うことです。
たとえば、
先月はGA4。
今月はShopify Analytics。
来月は別のツール。
これでは正しく比較できません。
分析では「どの数字が絶対に正しいか」より、同じ計測方法で変化を見ることの方が重要です。
ECで本当に見たいのはアクセス数だけではない
アクセス数は分かりやすい数字です。
1万人来た。
先月より20%増えた。
でもECサイトの目的はアクセスを集めることではありません。
商品を買ってもらうことです。
だからアクセス数だけではなく、
- 注文数
- 売上
- コンバージョン率
- 平均注文額
- カート追加率
- チェックアウト到達率
などを合わせて見る必要があります。
アクセスが減って売上が増えることもある
たとえば、
先月:10,000セッション・100注文
今月:8,000セッション・120注文
なら、アクセスは20%減っています。
でも注文は20%増えています。
ECサイトとしては必ずしも悪化していません。
ボットや購入意欲の低いアクセスが減り、買う可能性の高いユーザーが残ったのであれば、むしろ分析しやすくなります。
広告運用しているストアは特に注意
Google広告やMeta広告などを運用している場合、Shopify側のCVRだけを見て広告評価を変えないよう注意します。
9月21日を境にShopifyのCVRが上がったからといって、
「広告改善に成功した」
とは限りません。
広告管理画面の、
- クリック数
- 広告費
- コンバージョン
- CPA
- ROAS
なども合わせて確認します。
制作会社・運用会社はレポートに注記した方がいい
クライアントへECサイトの月次レポートを提出している場合は、2026年9月のShopify Analyticsデータへ注記しておいた方が親切です。
たとえば、
※Shopify Analyticsは2026年9月21日にセッション計測方法が変更されています。セッション数・CVRなどの前期間比較には、この計測変更の影響が含まれる可能性があります。
これだけでも十分です。
何も書かずに、
「CVRが30%改善しました」
とだけ報告すると、実際には計測変更だったということもあり得ます。
計測変更があったときに確認する5つのこと
Shopifyに限らず、アクセス解析ツールの仕様が変わった場合は次の順番で確認すると分かりやすいです。
- 変更日はいつか
- どの指標が影響するか
- 影響しない指標は何か
- 売上・注文数も同じ方向に動いているか
- 他の計測ツールでも同じ傾向が出ているか
数字が急変したら、まず仕様変更を疑う
WEB運用では、ある日突然数字が変わることがあります。
アクセスが半分。
CVRが倍。
直帰率が急落。
こういうとき、すぐにSEOや広告の成果だと考えない方がいいです。
GA4。
Search Console。
広告管理画面。
ECプラットフォーム。
どれも仕様変更があります。
数字が急変したら「サイトで何が起きた?」だけではなく、「計測ツールで何か変わった?」も確認します。
ShopifyはAnalytics自体も進化している
Shopifyは2026年、Analytics関連の機能を継続的に改善しています。
たとえば2月には、商品・バリエーション・顧客・注文のメタフィールドをAnalyticsのディメンションやフィルターとして利用できるようになりました。
素材。
顧客ランク。
原材料。
など、ストア独自のメタフィールドで売上や注文を分析できます。
Excelなどへ毎回書き出さなくても、Shopify内で分析できる範囲が広がっています。
9月23日には送料・関税データも改善
Shopifyは2026年9月23日にもAnalyticsを更新しています。
送料と関税について、より完全でタイムリーなデータをレポートへ反映する改善です。
そのため、
- 送料
- 関税
- 利益
- 市場別平均利益率
- 注文別利益率
などを利用している場合も数字が変わる可能性があります。
Shopify Analyticsは固定されたツールではなく、現在も計測・分析方法が更新されています。
アクセス解析は「数字を読む」だけでは足りない
アクセス解析というと、
セッションが何件。
CVRが何%。
売上が何円。
という数字を見る作業になりがちです。
でも、その数字が、
どう計測されたのか。
いつ仕様が変わったのか。
何が含まれているのか。
まで分からないと判断を間違えます。
AI時代はボットアクセスも無視できない
今回Shopifyが人間とボットの判定を改善したことも興味深いところです。
検索エンジンだけではなく、さまざまなAIサービスや自動ツールがWEBへアクセスする時代になっています。
サイトへのリクエスト数が増えても、それがそのまま「見込み客が増えた」という意味にはなりません。
EC分析では今後さらに、
人間の買い物客による行動をどう把握するか
が重要になっていくでしょう。
9月21日以降に数字が変わった人がやること
Shopifyストアを運営していて、9月21日前後から数字が変わった場合は、まず次を確認します。
- セッション数の変化を確認
- 注文数の変化を確認
- 売上の変化を確認
- CVRだけが変化していないか確認
- GA4や広告管理画面も確認
- 9月21日を境にデータを見る
セッションとCVRだけが変わり、注文数・売上がほとんど変わっていなければ、今回の計測変更が影響している可能性があります。
まとめ|9月21日前後の数字はそのまま比較しない
Shopifyは2026年9月21日から、Analyticsのセッション計測方法を改善しました。
主な目的は、人間の買い物客によるアクセスをより正確に把握することです。
この変更によって、
- セッション数
- コンバージョン率
- カート追加率
- チェックアウト到達率
- 直帰率
- ページビュー/セッション
などが以前と違って見える可能性があります。
一方、注文数、売上、顧客数は今回の変更では変わりません。
2026年9月21日前後でShopifyのアクセス数やCVRが急変しても、すぐに「売れなくなった」「改善した」と判断しないことが重要です。
まず売上と注文数を見る。
次にGA4や広告管理画面を見る。
そして計測方法が変わった日を確認する。
Shopify自身も9月21日以降を新しいセッション計測のベースラインとして扱うよう案内しています。
アクセス解析では数字そのものより、その数字がどんな条件で計測されたのかを理解する。
ECサイトを運営するなら、この視点はかなり大切です。


