ECサイトは送料無料にした方が売れる?送料込み・○円以上無料の決め方と利益を残す考え方【2026年版】

ECサービス

ネットショップを作るとき、かなり悩むのが送料です。

全国一律800円。

10,000円以上で送料無料。

商品価格に送料を含めて、最初から送料無料。

北海道・沖縄だけ追加送料。

いろいろな設定があります。

購入する側から見れば、もちろん送料無料の方がうれしい。

ではECサイトは全部送料無料にした方が売れるのか。

そんな単純な話でもありません。

ECの送料無料は「送料を誰も払わなくていい」という意味ではありません。ショップが負担するか、商品価格へ含めるか、他の商品とまとめて回収するか。その違いです。

送料無料にした結果、注文は増えたけど利益が残らない。

これでは意味がありません。

今回はネットショップの送料をどう決めるか、購入率だけではなく客単価と利益まで含めて考えてみます。

  1. 送料無料でも配送会社は無料で運んでくれない
  2. なぜ送料無料は強いのか
  3. 4,800円送料無料と3,980円+送料820円は同じ金額
  4. じゃあ全部商品価格に送料を入れればいい?
  5. 2個買うと送料を2回払っているような価格になる
  6. 単品通販は送料込みと相性がいい
  7. 複数商品を売るECなら「○円以上送料無料」が使いやすい
  8. 「あと700円で送料無料」が追加購入を作る
  9. 送料無料ラインをなんとなく5,000円にしない
  10. まず平均注文額を見る
  11. 平均注文額より少し上がひとつの考え方
  12. 送料だけではなく粗利を見る
  13. 送料無料ラインは売上ではなく利益から逆算する
  14. 送料無料なのに赤字になる注文もある
  15. 地域によって送料が違う問題
  16. 北海道・沖縄だけ追加送料はアリ?
  17. 大型商品は別ルールでもいい
  18. 冷蔵・冷凍ECは送料設計がさらに難しい
  19. 送料無料にできないなら無理にしなくていい
  20. 送料800円を取っても買われる商品を作る方が強い
  21. 逆に送料が商品価格より高いと厳しい
  22. メール便が使える商品は強い
  23. 梱包サイズが1cm違うだけで送料が変わることもある
  24. 「送料無料」を広告に使うなら条件を分かりやすく
  25. 商品ページにも送料無料までの金額を見せる
  26. 追加購入してほしい商品も用意する
  27. ECプラットフォームによって送料設定は違う
  28. ECサービスを選ぶ前に送料ルールを決める
  29. 送料無料を決める簡単な計算
  30. 送料無料にして売上20%アップでも喜べないことがある
  31. 見るべき数字は客単価と粗利
  32. 送料無料は「サービス」ではなく価格戦略
  33. 送料無料ラインは一度決めたら終わりではない
  34. まず1ヶ月分の注文を見てみる

送料無料でも配送会社は無料で運んでくれない

当たり前ですが、ここがスタートです。

ショップに「送料無料」と表示しても、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便が無料で荷物を運んでくれるわけではありません。

配送費は発生します。

つまり送料無料とは、

  • ショップ側が送料を負担する
  • 商品価格に送料を含める
  • 複数商品の利益から送料を吸収する

このどれかです。

送料無料は配送方法ではなく、価格の見せ方です。

なぜ送料無料は強いのか

商品ページでは3,980円。

「これなら買おう」とカートへ入れる。

住所を入力。

最後に送料880円。

合計4,860円。

ここで急に高く感じることがあります。

商品価格は最初から見えていたのに、送料は購入直前に追加される。

この「あとから増えた感じ」が嫌われやすい。

4,800円送料無料と3,980円+送料820円は同じ金額

支払総額だけを見れば同じです。

でも人間は必ずしも同じようには感じません。

4,800円・送料無料。

3,980円・送料820円。

後者は商品以外へ820円払っているように見えます。

送料という費用が独立して見えるからです。

ECで送料無料が強く使われる理由のひとつです。

じゃあ全部商品価格に送料を入れればいい?

ここで出てくるのが「送料込み価格」です。

たとえば、

商品価格3,000円。

送料800円。

だった商品を、

3,800円・送料無料。

にする。

ショップ側の受取金額は同じです。

一見するとこれで解決します。

でも、商品によっては問題があります。

2個買うと送料を2回払っているような価格になる

送料込み3,800円の商品を2個購入。

合計7,600円。

でも実際の配送は同じ箱へ2個入れられるかもしれません。

送料は800円のまま。

商品価格3,000円×2+送料800円なら6,800円です。

送料込み価格だと800円高くなります。

単品購入ではきれいでも、複数購入で価格競争力が落ちることがあります。

単品通販は送料込みと相性がいい

逆に、基本的に1注文1商品なら送料込み価格は使いやすい。

たとえば大型商品。

セット商品。

ギフト。

定期購入。

1回の注文内容がほぼ決まっている商品です。

配送費を商品原価の一部として考えやすくなります。

複数商品を売るECなら「○円以上送料無料」が使いやすい

一般的なネットショップでよく見るのが、

5,000円以上のお買い上げで送料無料

という方式です。

これは単なるサービスではありません。

客単価を上げる仕組みにもなります。

「あと700円で送料無料」が追加購入を作る

カート合計4,300円。

送料800円。

5,000円以上なら送料無料。

この場合、ユーザーは考えます。

送料へ800円払うなら、700円の商品を何か追加した方がいい。

そこで、

消耗品。

小物。

関連商品。

追加購入が起きます。

送料無料ラインは「送料を無料にする金額」ではなく、「もう1商品買ってもらう金額」として設計できます。

送料無料ラインをなんとなく5,000円にしない

5,000円。

8,000円。

10,000円。

ネットショップでよく見る数字です。

でも他店が5,000円だから自分の店も5,000円。

これでは根拠がありません。

見るべきなのは自分のショップの数字です。

まず平均注文額を見る

たとえば現在の平均注文額が4,200円だったとします。

送料無料ラインを5,000円にする。

あと800円。

関連商品が500〜1,000円程度なら、追加購入を狙いやすい。

一方、平均注文額4,200円なのに送料無料ラインを15,000円にしても、多くのユーザーには遠すぎます。

「どうせ届かない」と思われれば追加購入は起きません。

平均注文額より少し上がひとつの考え方

送料無料ラインの決め方に絶対の正解はありません。

ただ、平均注文額より少し高い金額を基準にする方法は分かりやすい。

現在4,000円前後なら5,000円。

7,000円前後なら8,000円や10,000円。

そこから実際の購入データを見て調整します。

送料だけではなく粗利を見る

ここがかなり大事です。

売上10,000円だから送料800円くらい無料にできる。

とは限りません。

粗利率が違うからです。

粗利率50%の商品なら、10,000円売って粗利5,000円。

粗利率15%なら1,500円。

そこから送料800円をショップが負担すれば、残る金額は大きく違います。

送料無料ラインは売上ではなく利益から逆算する

たとえば平均送料が800円。

粗利率40%。

送料無料ライン5,000円。

単純計算なら粗利は2,000円。

そこから送料800円。

残り1,200円。

さらに、

  • 決済手数料
  • 梱包資材
  • ピッキング作業
  • ECサービス利用料
  • 広告費

がかかります。

送料無料にする前に、ここまで見ます。

送料無料なのに赤字になる注文もある

送料無料ラインだけを見ていると起こります。

利益率の低い商品だけで送料無料ラインへ到達。

北海道へ発送。

大きな箱になる。

決済手数料もかかる。

結果、ほとんど利益が残らない。

売上だけ見れば注文が増えているので気づきにくい。

地域によって送料が違う問題

日本国内でも送料は一定ではありません。

本州。

北海道。

沖縄。

離島。

発送元によってかなり変わります。

全国一律送料無料にすると、遠方注文ほどショップ負担が大きくなります。

北海道・沖縄だけ追加送料はアリ?

もちろん選択肢です。

「○円以上送料無料。ただし北海道・沖縄は別途○円」

という設定をしているショップは珍しくありません。

重要なのは、購入直前まで隠さないことです。

商品ページ。

送料案内。

カート。

分かる場所へ明記します。

大型商品は別ルールでもいい

通常商品は5,000円以上送料無料。

大型商品は対象外。

これも普通にあります。

家具。

業務用品。

重量物。

冷蔵・冷凍商品。

通常便と同じ送料無料条件にすると利益計算が崩れる商品です。

冷蔵・冷凍ECは送料設計がさらに難しい

食品ECでは常温便だけではありません。

冷蔵。

冷凍。

クール便。

商品によって配送温度帯が違います。

常温商品と冷凍商品を同時に買ったらどうするのか。

同梱できるのか。

別便になるのか。

送料も1便分なのか2便分なのか。

ECシステムを作る前に運用ルールを決める必要があります。

送料無料にできないなら無理にしなくていい

Amazonを使っていると送料無料が当たり前に感じることがあります。

でも小規模ECが同じ条件で戦う必要はありません。

年間何億個も配送する企業と、小さなショップでは配送会社との契約条件も違います。

利益を削ってまで「送料無料」と書く必要はありません。

送料800円を取っても買われる商品を作る方が強い

ここはECサイト制作だけでは解決できません。

その店でしか買えない。

品質がいい。

ブランドが好き。

他では手に入らない。

欲しい理由が強ければ、送料を払ってでも買います。

送料無料は商品力の代わりにはなりません。

逆に送料が商品価格より高いと厳しい

500円の商品。

送料800円。

合計1,300円。

これは購入ハードルがかなり上がります。

こういう商品なら、

  • 複数個セットにする
  • 他の商品とのセット販売
  • メール便など安い配送方法を使う
  • 最低注文金額を設定する

など、商品構成から考えた方がいいです。

メール便が使える商品は強い

薄い。

軽い。

壊れにくい。

ポスト投函できる。

こうした商品は配送費を抑えやすい。

ECでは商品原価だけでなく「どう送れるか」もかなり重要です。

商品開発の時点で配送サイズを考えてもいいくらいです。

梱包サイズが1cm違うだけで送料が変わることもある

ECを始めると意外と効いてくる部分です。

商品そのものは小さい。

でも箱へ入れたら配送サイズがひとつ上がった。

緩衝材を入れたら厚みオーバー。

送料が上がる。

月10件なら小さな差。

月1,000件ならかなりの金額です。

「送料無料」を広告に使うなら条件を分かりやすく

広告やバナーに大きく、

送料無料

と書く。

実際には10,000円以上のみ。

北海道・沖縄対象外。

一部商品対象外。

条件があるなら、その条件がユーザーに分かるようにします。

クリックさせるためだけに大きく「送料無料」と見せると、カートまで進んでから期待を裏切ります。

商品ページにも送料無料までの金額を見せる

送料無料ラインを設定しているなら、ただ送料ページに書くだけではもったいない。

商品ページ。

カート。

ヘッダー。

購入導線の中で見せます。

特にカートで、

「送料無料まであと1,200円」

と表示できれば追加購入につなげやすい。

追加購入してほしい商品も用意する

あと800円で送料無料。

でもショップ内の商品が全部3,000円以上。

これでは追加しづらい。

送料無料ラインを客単価アップに使うなら、価格帯の違う商品があると便利です。

500円。

800円。

1,000円。

消耗品や関連商品など。

送料無料までの調整に使える商品です。

ECプラットフォームによって送料設定は違う

Shopify。

BASE。

STORES。

カラーミーショップ。

各サービスで送料設定の方法や自由度が違います。

重量。

地域。

注文金額。

商品。

配送方法。

すべて同じように設定できるとは限りません。

ECサービスを選ぶ前に送料ルールを決める

先にECサービスを契約。

商品登録。

最後に送料を考える。

この順番だと、やりたい配送ルールをシステム側で設定できないことがあります。

先に、

  • どこから発送するか
  • どこへ発送するか
  • 何サイズになるか
  • 常温・冷蔵・冷凍があるか
  • 同梱できるか
  • 送料無料ラインを設けるか

を決める。

そのルールを実現できるECサービスを選ぶ方が安全です。

送料無料を決める簡単な計算

難しい計算をしなくても、最低限これだけは出します。

注文金額 − 商品原価 − 決済手数料 − 送料 − 梱包費 − その他変動費

これが1注文で残る金額です。

広告を使っているなら、さらに広告費も考えます。

送料無料ラインを5,000円にした場合。

8,000円にした場合。

10,000円にした場合。

それぞれ試算します。

送料無料にして売上20%アップでも喜べないことがある

送料無料キャンペーンを実施。

売上20%アップ。

一見成功です。

でも送料負担が増えて利益30%ダウン。

広告費まで増えていたらさらに減る。

ECは売上だけを見ると判断を間違えます。

見るべき数字は客単価と粗利

送料無料施策を試したら、

  • 注文数
  • 平均注文額
  • 1注文あたりの商品点数
  • 送料負担額
  • 粗利
  • 購入率

を見ます。

注文数だけ増えたのか。

客単価も上がったのか。

利益が残ったのか。

ここまで見て判断します。

送料無料は「サービス」ではなく価格戦略

送料無料という言葉を見ると、ショップがお客さんへサービスしているように感じます。

でも経営側から見ると違います。

商品価格。

客単価。

粗利。

配送費。

購入率。

これらをまとめて設計する価格戦略です。

「送料無料にするか」から考えるのではなく、「1注文でいくら利益を残したいか」から逆算した方が決めやすくなります。

送料無料ラインは一度決めたら終わりではない

配送会社の料金は変わります。

商品原価も変わる。

梱包資材も値上がりする。

売れる商品の構成も変わります。

去年5,000円で成立していた送料無料ラインが、今年も正しいとは限りません。

ECの数字を見ながら調整します。

まず1ヶ月分の注文を見てみる

これから送料無料ラインを決めるなら、感覚で決める前に注文データを見ます。

平均注文額はいくらか。

平均送料はいくらか。

平均粗利はいくらか。

何円の商品が一緒に買われているか。

北海道・沖縄の注文割合はどれくらいか。

そこまで分かれば、送料無料ラインの候補はかなり絞れます。

「他のショップが5,000円だから」ではなく、自分のショップの数字で決める。

送料無料で一番大事なのは、たぶんそこです。

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